渡邊利道さん、第7回日本SF評論賞優秀賞受賞

 表題の通り。幻視社同人である渡邊利道(id:wtnbt)さんの「独身者たちの宴 上田早夕里『華竜の宮』論」が、第7回日本SF評論賞優秀賞を受賞しました。日本SF評論賞はまるで容赦のない選考がなされ、しかもその選考過程が雑誌上に再録されるのですけれども*1、難関をくぐり抜けて栄冠を勝ち取られました。
 渡邊さんとはじめてお会いしたのは2006年の文学フリマ会場だったと記憶していますが、Web上ではその前からお話していたように思います。とにかく、ずうっと文学談義を続けてきました。Speculative JapanやTOKON10公式ブログ、そしてAnalog Game Studiesなどに数々の寄稿をいただいても参りました。そんな戦友の努力が顕彰されたのはまことに嬉しい。渡邊利道さん、おめでとうございます!
 発表会のインターネット中継を見ていた幻視社同人の柿崎憲さんによれば、受賞スピーチでは私についても言及いただいたとのこと、恐縮です。
 また、日本SF大賞を受賞した上田早夕里さんの『華竜の宮』は、私も一票を投じていた作品ですので、純粋に嬉しいです。『SFが読みたい! 2011年度版』にも投票しました。一方的な愛読者だとばかり思っていたのですが、SFセミナー2011では、わざわざご挨拶にいらしていただき、実に恐縮したのを鮮明に記憶しております。

華竜の宮 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

華竜の宮 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

 渡邊さんといえば、最近の仕事ではイスマイル・カダレ『死者の軍隊の将軍』論が光っていました。その論考が収録された「幻視社」5号の目次はこちらで読めます。 
 http://d.hatena.ne.jp/CloseToTheWall/20110612
死者の軍隊の将軍 (東欧の想像力)

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 当該号はまだ在庫があるようです。
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inthewall「あっと」king-postman.com


追記:毎日新聞日本SF評論賞についての記事が出た模様です。SF評論賞についての部分を引用・紹介。

日本SF大賞:上田早夕里さん「華竜の宮」が選ばれる


(……)


▽日本SF評論賞=該当作なし▽同優秀賞=渡辺利道さん(42)の「独身者たちの宴 上田早夕里『華竜の宮』論」▽同選考委員特別賞=忍澤勉さん(55)の「『惑星ソラリス』理解のために−−『ソラリス』はどう伝わったのか」


毎日新聞 2011年12月12日 10時04分(最終更新 12月12日 10時32分)
http://mainichi.jp/enta/art/news/20111212k0000e040051000c.html

*1:私はいちど落とされてます