「未来」2012年6月号に「向井豊昭の闘争」第5回が掲載されました。 

 学術出版社・未來社のPR誌「未来」2012年6月号が頒布開始されました。


・〈歴史の天使〉について 転換のディヴェルティメント 30  小林康夫
・東欧から中欧へ? デラシネ備忘録 29  町田幸彦
・現メルケル内閣の多彩な顔ぶれ ドイツと私 46  永井潤子
・次々に襲ってくるサイクロンとともに 書簡で読むアフリカのランボー 14  鈴村和成
・なぜ岩国×で沖縄は○なのか 沖縄からの報告 28  知念ウシ
現代日本における会民主主義の可能性――「新しい福祉国家」の戦略 《リレー連載》リベラル・デモクラシーとソー・シャル・デモクラシー 10  渡辺治
・異種混交性(ハイブリディティ)の世界文学 向井豊昭の闘争 5  岡和田晃

 編集都合で一ヶ月開いてしまいましたが、落としたわけではございません……。

 今回は鳩沢佐美夫が陥った精神の危機とその恢復、それから生まれた未完のサーガ〈ある老婆たちの幻想〉の第一話「赤い木の実」、および向井豊昭の「耳のない独唱」を詳細なテクストクリティークを交えて読んでいくものです。文芸批評の王道を行くといったら言いすぎでしょうが、テクストの内在的論理をほぼ完璧に掴めた自信のある論考です。完成度としては今まででの連載で最高かもしれません。
 「赤い木の実」が収められた『コタンに死す』は古本で購入することが可能です。

 「未来」は大型書店では無料配布されております。ジュンク堂書店池袋本店や丸善丸の内店、あるいは大学生協などにも置かれているようですので、よろしければ手にとっていただけましたら幸いです。
 最近の「未来」は、メルケル内閣にプーチンのロシアと、世界情勢を理解するうえでとても役に立っています。
 未來社の新刊では『ベンヤミン 危機の思考』が素晴らしい。あの晦渋な初期ベンヤミン思想をここまで手堅くまとめられるとは、名人芸そのものでしょう。 「未来」については、未來社公式サイトから直接購読を申し込むことが可能です。年間定期購読で1200円という驚異的な価格設定になっております。硬質な批評に飢えている方にはもってこいの雑誌ではないかと思いますので、ご興味のある方は手にとってみてください。

http://www.miraisha.co.jp/np/inner/201203