第十五回文学フリマに参加します。

 お知らせです。11月18日の文学フリマで、文学同人誌「幻視社 第六号」を出します。

◆小 説    
佐伯僚「液体循環装置のゲロ」
渡邊利道「臨海電車」
エンドケイプ「アレルギーテスト」


◆特 集   
〈想像力の文学〉を読む
巻頭言 スリップ・ストリーム・ルネッサンスへ向けて 岡和田晃
〈想像力の文学〉担当編集へのインタビュー
〈想像力の文学〉全作レビュー
瀬川深『ミサキラヂオ』        
田中哲弥『猿駅/初恋』
遠藤徹『ネル』
平山瑞穂『全世界のデボラ』
佐藤哲也『下りの船』
津原泰水『バレエ・メカニック』
木下古栗『ポジティヴシンキングの末裔』
円城塔『後藤さんのこと』
藤谷治『ぼくらのひみつ』       
横田創『埋葬』
岡和田晃 ガザミ 東條慎生 渡邊利道


◆「〈東欧の想像力〉を読む」追補
イェジー・コシンスキ 『ペインティッド・バード』「後記」、『庭師 ただそこにいるだけの人』
サムコ・ターレ『墓地の書』
ボフミル・フラバル『厳重に監視された列車』
クラスナホルカイ・ラースロー『北は山、南は湖、西は道、東は川』
W・P・ブラッティ『ディミター』
クラウディオ・マグリス『ドナウ』
岡和田晃 東條慎生


◆特別掲載 向井豊昭未発表作品
向井豊昭「なのだのアート」
向井豊昭「自分稼豊昭のガードマン」
向井恵子「山」
向井恵子「姉ちゃの見合い」
岡和田晃「詩というコミューンを築くために」

表紙イラスト・デザイン 狩野若芽
参加者一覧 エンドケイプ 岡和田晃 ガザミ 佐伯僚 東條慎生 渡邊利道
ブースは「D-30」です。一階の中央奥側でしょうか。
文学フリマ - 文学フリマ公式サイト-お知らせ


文学フリマ - 第十五回サークル一覧(D)

第十五回文学フリマ
開催日 2012年11月18日(日)
開催時間 11:00〜17:00に延長決定!
会場 東京流通センター 第二展示場(E・Fホール)
アクセス 東京モノレール流通センター駅」徒歩1分
※詳細は会場アクセスをご覧下さい

 私は早川書房のスリップ・ストリーム叢書「想像力の文学」特集を企画し、巻頭のアジテート文を寄せ、早川書房の担当編集様にインタビューをさせていただきました。 
 もちろんレビューも担当しています。佐藤哲也『下りの船』、木下古栗『ポジティヴシンキングの末裔』、横田創『埋葬』の三作。木下・横田は、「想像力の文学」読者の多くは旧作を知らずに読んでいたきらいがあるので、過去作、また純文学ではどのような文脈で読まれていたのかをふまえて解説してます。『下りの船』は、とても語りづらい作品でしたが、佐藤哲也さんの過去作と比較する形で、作品の深みを取り出せるようにしました。

下りの船 (想像力の文学)

下りの船 (想像力の文学)

ポジティヴシンキングの末裔 (想像力の文学)

ポジティヴシンキングの末裔 (想像力の文学)

埋葬 (想像力の文学)

埋葬 (想像力の文学)

 しかし、『埋葬』を語るには、まったく紙幅が足りない! これは100枚くらいで論じないとダメな作品。もちろん「SFが読みたい!」に投票したが、ジーン・ウルフが好きな人は絶対読まなきゃダメですよ。もぐりと言ってもいい、とやや挑発しておきます(笑)『裸のカフェ』を読んだ時には、まさか横田さんがジーン・ウルフに接近するとは思わなかった。そういえば横田さんがクロード・シモンについて熱く語るのを、昔、とある場所にて、聞いたような気がするが、私の思い過ごしかもしれない。
 「東欧の想像力」補遺では、W・P・ブラッティ『ディミター』およびクラウディオ・マグリス『ドナウ』をレビュー。
ドナウ ある川の伝記

ドナウ ある川の伝記

 向井豊昭さんの遺稿も、もちろん掲載します。「自分稼豊昭のガードマン」は下北「ピジン」方言を多用した作品で一見の価値あり。「なのだのアート」は、「向井豊昭の闘争10・11」で論じられた、柄谷行人の反駁としても読める、きわめて切実な作品です。活字に残すべきだと主張し、実現しました。
 そして、向井恵子さんの詩を2本掲載しています。単に向井豊昭奥さんだから、というわけではなく、実は向井恵子さんは小熊秀雄賞の最終候補に残った詩人であり、また見事な朗読家でもあります。その詩の生活に根付いた素朴ながらも情感深い作風は、向井豊昭が惚れ込むのもわかるほど。
 向井恵子さんの詩は、今回再録したものは、原本がどちらも1部しか残存がありません。
 特に前者はほぼ半世紀前に作られたガリ版刷りの本でして、ネクロノミコン並の(?)希少な原稿です。
 蛇足ながら、私が「詩というコミューンを築くために」という解説を寄せましたので、ご笑覧ください。
 

 それと「幻視社」ブースでは、『しずおかSF 異次元への扉』も限定30部、頒布することになりました。書店売りはフェアを除けば静岡県だけ。手にとって見られる機会はレア。これまでの頒布経験からして、瞬殺が予想されます。お早めに。

しずおかの文化新書9 しずおかSF 異次元への扉〜SF作品に見る魅惑の静岡県〜

しずおかの文化新書9 しずおかSF 異次元への扉〜SF作品に見る魅惑の静岡県〜

 また、カ−09の「あまりもの」では「SFファンジン」2号が頒布されますが、ここには長編評論「生政治と破滅」を寄稿しています。

 エ−32「限界研」では、頒布される「genkai.Vol1」に「ジャーロ」Vol.38掲載原稿を寄せております。「限界研」ブースでは『21世紀探偵小説』も小部数ですが頒布されます。
 お手にとっていただければ、嬉しいです。
21世紀探偵小説 ポスト新本格と論理の崩壊

21世紀探偵小説 ポスト新本格と論理の崩壊

あまりもの カ-09 評論|音楽 @tinamisango
限界研 エ-32 評論|文芸批評(作家論・作品研究含む) @genkaiken