フーゴ・ハル「バーナム2世事件」(『ホームズ鬼譚〜異次元の色彩』所収)のお手伝いをしました。

 山田正紀・北原尚彦・フーゴ・ハル『ホームズ鬼譚〜異次元の色彩』の見本が届きました。
 「ホームズ×クトゥルー」のオマージュ・アンソロジーフーゴ・ハルさんのゲームブック「バーナム2世事件」のお手伝いをさせていただいたのです。本作はゲームブックでありながら、あの『シャーロック・ホームズ10の怪事件』シリーズの衣鉢を継ぐ「本格ミステリ」にもなっています!
 ヴィクトリア朝の、高踏的ながらもいかがわしさあふれる独特の雰囲気と、ロジカルな謎解き、宇宙的恐怖のバランスが絶妙だと思います。お手伝いしながら、ページ数の三倍は愉しめると感じました。ゲームに馴染みがない方も是非どうぞ。

《バーナム2世事件・フーゴ・ハル著》   
2011年の春、アメリカのマサチューセッツ州アーカムにあるミスカトニック大学で、J・H・ワトスン博士の未発表の手記が発見された。手記の内容は19世紀末のロンドンで起きた怪奇な殺人事件をめぐるものだった。迷宮状に枝分かれしている文章を少しずつ読み進め、あたかもワトスン博士と共に捜査するようにして、事件の謎を解き明かす、新感覚ゲームブック

 フーゴ・ハル「バーナム2世事件」は、新本格ミステリは読み込んだけど、ゲームいまいち苦手感が……という方に、むしろウッテツケだと思います。そういう人の感想を、ちょっとお聞きしてみたくなる作品です。ゲームブックファンは。システムからして感涙必至であります。
 なお、作者フーゴ・ハルさんが、ハナモゲラならぬ「母国語」の「フー語」でインタビューに応えているファン動画もあります。爆笑必至……ですが、中身は、シリアスな「宇宙からの色」分析にもなっていて、けっこうビックリ。

 「バーナム2世事件」でフーゴ・ハルさんを知った、また、これまでハルさんの作品に触れたことがあるという方は、Analog Game Studiesのコラボ記事も参考になると思います。


ゲームブック温故知新――「ブックゲーム」という冒険(Analog Game Studies)
http://analoggamestudies.seesaa.net/article/24617878.html