『現代北海道文学論 ~来るべき「惑星思考(プラネタリティ)」に向けて~』(藤田印刷エクセレントブックス)が発売

 岡和田晃の新しい編著『現代北海道文学論~来るべき「惑星思考(プラネタリティ)」に向けて~』(藤田印刷エクセレントブックス)が発売になりました。そろそろ書店に並ぶ頃です。ISBN 978-4-86538-105-4で書店注文いただくか、藤田印刷エクセレントブックス(Tel 0154224165 Fax 0154222546)が、今のところ最速です。

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 コンセプトは帯の裏の文面が、端的にまとまっているものと思います。

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 ご注文は以下でお願いします。

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 オンライン書店に出るのは時間がかかると思われます。実店舗の書店の方は、人文・社会科学系の取次であるJRCのサイトからご注文下さい。

http://www.jrc-book.com/list/fujita.html

 212頁、本体1800円。読みやすく、入門にも最適! ジュンク堂書店池袋本店では、すでに面陳されています。

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 執筆者は、渡邊利道、石和義之、宮野由梨香、倉数茂、田中里尚、松本寛大、横道仁志、東條慎生、藤元登四郎、三浦祐嗣、藤元直樹、巽孝之、高槻真樹、齋藤一、丹菊逸治、川村湊、河﨑秋子の各位(登場順)、それに私です。あと、「北海道新聞」の古家昌伸・久才秀樹の両記者が加わり(対論のレポート執筆)、19名となる計算です。

 『北の想像力』(2014、寿郎社)の実質的続編にあたりますが、何ら問題なく単体で読めます。本体は1800円です。

 「北海道新聞」夕刊に2015年4月から2017年12月まで連載した「現代北海道文学論 『北の想像力』の可能性」を再編集・付記を添えたうえ、2018年1月の完結記念の対論(於・北海道立文学館)の記録、そして2018年から19年の「北海道新聞」等での連載を添え、締めの論文を書き下ろした決定版ですね。‬詳細目次は以下をご覧ください。

 

現代北海道文学論――来るべき「惑星思考(プラネタリティ)」に向けて*目次

 

●はじめに

 

●第一部 「北海道文学」を中央・世界・映像へつなぐ

・「惑星思考(プラネタリティ)」で風土性問い直す時/岡和田晃

円城塔――事実から虚構へダイナミックな反転/渡邊利道

・山田航――平成歌人の感性の古層に潜む「昭和」/石和義之 
池澤夏樹――始原を見つめる問題意識/宮野由梨香 

桜木紫乃――「ごくふつう」の生 肯定する優しさ/渡邊利道 

村上春樹――カタストロフの予感寓意的に描く/倉数茂
佐藤泰志――「光の粒」が見せる人の心の揺らぎ/忍澤勉 
外岡秀俊――啄木短歌の言葉の質 考え抜き/田中里尚

朝倉かすみ――故郷舞台に折り重なる過去と現在/渡邊利道 
山中恒――小樽で見た戦争 自由の尊さ知る。松本寛大 
桐野夏生――喪失の果て 剝き出しで生きていく/倉数茂

桜庭一樹――孤立と漂流流氷の海をめぐる想像力のせめぎ合い/横道仁志

 

●第二部 「世界文学」としての北海道SF・ミステリ・演劇
・河﨑秋子――北海道文学の伝統とモダニズム交錯/岡和田晃 
山下澄人――富良野倉本聰 原点への返歌/東條慎生 
今日泊亜蘭――アナキズム精神で語る反逆の風土/岡和田晃藤元登四郎 
荒巻義雄――夢を見つめ未知の世界へ脱出/藤元登四郎 
「コア」――全国で存在感 SFファンジンの源流/三浦祐嗣 
露伴札幌農学校――人工現実の実験場/藤元直樹 
佐々木譲――榎本武揚の夢 「共和国」の思想/忍澤勉 

平石貴樹――漂泊者が見た「日本の夢」と限界/巽孝之 
高城高――バブル崩壊直視 現代に問いかける/松本寛大 
柄刀一――無意味な死に本格ミステリで抵抗/田中里尚 


●第三部 叙述を突き詰め、風土を相対化――「先住民族の空間」へ
渡辺一史――「北」の多面体的な肖像を再構成/高槻真樹 
小笠原賢二――戦後の記憶呼び起こし時代に抵抗/石和義之 
清水博子――生々しく風土を裏返す緻密な描写/田中里尚 
・「ろーとるれん」――「惑星思考」の先駆たる文学運動/岡和田晃 

・笠井清――プロレタリア詩人 「冬」への反抗/東條慎生 
・松尾真由美――恋愛詩越え紡がれる対話の言葉/石和義之 
・林美脉子――身体と風土拡張する宇宙論的サーガ/岡和田晃 
柳瀬尚紀――地名で世界と結び合う翻訳の可能性/齋藤一 
アイヌ口承文学研究――「伝統的世界観」にもとづいて/丹菊逸治 
樺太アイヌ、ウイルタ、ニヴフ――継承する「先住民族の空間」/丹菊逸治 

・「内なる植民地主義」超越し次の一歩を/岡和田晃 

 

●連載「現代北海道文学論」を終えて/岡和田晃×川村湊

 

●補遺「現代北海道文学論」補遺――二〇一八〜一九年の「北海道文学」 
・伊藤瑞彦『赤いオーロラの街で』(ハヤカワ文庫、二〇一七年)――大規模停電の起きた世界、知床を舞台に生き方を問い直す/松本寛大

馳星周『帰らずの海』(徳間書店、二〇一四年)――時代に翻弄されながら生きる函館の人々/松本寛大 
高城高『〈ミリオンカ〉の女』(寿郎社、二〇一八年)――一九世紀末のウラジオストク、裏町に生きる日本人元娼婦/松本寛大 

・八木圭一『北海道オーロラ町の事件簿』(宝島社文庫、二〇一八年)――高齢化、過疎化の進む十勝で町おこしに取り組む若者たち/松本寛大 
・『デュラスのいた風景 笠井美希遺稿集』(七月堂、二〇一八年)――植民地的な環境から女性性を引き離す/岡和田晃 
・須田茂『近現代アイヌ文学史論』(寿郎社、二〇一八年)――黙殺された抵抗の文学を今に伝える/岡和田晃 
・麻生直子『端境の海』(思潮社、二〇一八年)――植民地の「空隙」を埋める/岡和田晃 
・『骨踊り 向井豊昭小説選』(幻戯書房、二〇一九年)――人種、時代、地域の隔絶を超える/河﨑秋子 
・天草季紅『ユーカラ邂逅』(新評論、二〇一八年)――〈死〉を内包した北方性から/岡和田晃 

・「惑星思考」という民衆史――『凍てつく太陽』(幻冬舎)、『ゴールデンカムイ』(集英社)、『熱源』(文藝春秋)、『ミライミライ』(新潮社)/岡和田晃

 

●あとがき

 

●初出一覧

 

●編・執筆者略歴 

  これまで岡和田の評論書は、ほとんどが超特盛でした。今回は、そのような奥行きを活かしつつ、今回は新聞連載による、読みやすさとの同居へ徹底的にこだわりました。「文学」の逆襲の開始であります。叛逆の狼煙を上げよ! 

 「北海道文学史」や「近現代日本文学史」を更新しつつ、単に「文学史」と括るだけではかなわない、もっとナマナマしい象牙の塔に閉じ込めてはいけない熱のある領域に取り組んでいるつもりです。 

 『北の想像力』と並べてみたら、以下のようになります。

 

写真の説明はありません。

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 なお、今まで判明されている誤記を以下にリストアップしておきます。お詫びして訂正させていただきます。(2020.01.25更新)

 

・p.25、【追記】

× 二〇一七年に全三〇巻の刊行が完了している。

○二〇二〇年に全三〇巻の刊行が完了する予定である。

 

・p.80、本文2行目

×本書八~一一頁

○本書一〇〜一三頁

 

・p.162、後ろから2行目

×林美詠子

○林美脉子

 

・p.163、追記

×杉中昌樹「詩の練習」Vol.36(二〇一九年七月)では笠井美希詩集

○杉中昌樹編「詩の練習」Vol.36(二〇一九年七月)では笠井美希特集

 

・p.182、8行目

×地域新興

○地域振興

 

・p.190、後ろから5行目

×内戦警察

○内鮮警察

 

・p.200、6行目

×中館寛隆

○中舘寛隆

 執筆者による紹介は以下となります。