紅野謙介・内藤千珠子・成田龍一編『〈戦後文学〉の現在形』(平凡社)に「津島佑子」と「震災と文学」を寄稿

 紅野謙介内藤千珠子成田龍一編『〈戦後文学〉の現在形』(平凡社)の見本が届きました。37名の論者が60作品を論じています。私は、「津島佑子『狩りの時代』 作家の芯にある「夢」で差別という「陵辱」を退ける」、「コラム 震災と文学」の項目を担当しています。10月21日頃に発売となります!

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 『狩りの時代』論では、「太宰治の娘」だと過剰にクローズアップするという没後なお続くスティグマを批判しつつ、津島佑子の作品を大きく三期に分類したうえで、デビュー以前の学生時代からの連続性という文脈で、『ジャッカ・ドフニ』や、それと対になる作品として『狩りの時代』を位置づけています。
 「震災と文学」では、次の作家等を論じています。以下、登場順に示します(批判的に言及しているものも含みます)。

上田早夕里『華竜の宮』、いとうせいこう『想像ラジオ』、高橋源一郎『恋する原発』、吉村萬壱『ボラード病』、川上弘美『神様2011』、和合亮一『詩の礫』、古川日出男『聖家族』、古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』、木村友祐『イサの氾濫』、村上春樹「かえるくん、東京を救う」、麻生直子「憶えていてください」、桜庭一樹『私の男』、伽鹿舍の文芸誌『片隅』、沼田真佑『影裏』、森岡浩之『突変』、北条裕子「美しい顔」、金菱清編『呼び覚まされる 霊性の震災学』、木村友祐『聖地Cs』、神山睦美『希望のエートス』、津島佑子半減期を祝って」、伊藤瑞彦『赤いオーロラの街で』、樺山三英「セヴンティ」、笙野頼子『水晶内制度』、若松丈太郎「街がメルトダウンしてしまった、武子和幸「小さな異変」、詩誌「白亜紀」、藤井太洋『ワン・モア・ヌーク』。

 詳細は『〈戦後文学〉の現在形』の現物をご確認下さい!

〈戦後文学〉の現在形

〈戦後文学〉の現在形

  • 発売日: 2020/10/23
  • メディア: 単行本