「図書新聞」2020年3月14日号に「〈世界内戦〉下の文芸時評 第六一回 革命前夜、二重権力を解体させる結節点とは」が掲載

 本日発売の「図書新聞」2020年3月14日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第六一回 革命前夜、二重権力を解体させる結節点とは」が掲載されています。いよいよ、私の文芸時評も6年目に突入です。テーマは「政治と文学」。編集さんからの提案で肩書きも新しくなりました。
 今回は、コロナ・ウイルスを使用した「要請」の意味するもの、アンチ・フェミニズム的なバックラッシュ、「口頭決済」がもたらすものを論じています。タイトルは前々回の「開戦前夜」と対ですね。

 取り上げている作品は以下。

 

・テーオドール・シュトルム『従弟クリスティアンの家で 他五篇』(岡本雅克訳、幻戯書房
古川日出男の新連載「曼陀羅華X 2004」(「新潮」)
・絓秀実「小説家・大江健三郎 その天皇制と戦後民主主義」(「群像」)
沼野充義チェーホフとサハリンの美しいギリヤーク人――村上春樹大江健三郎からサンギまで」(「すばる」)
・宮内悠介「黄色い夜」(「すばる」)
高山羽根子首里の馬」(「新潮」)
・松崎有理『イヴの末裔たちの明日』(東京創元社
・「早稲田文学」二〇一九年冬号、二〇二〇年春号の特集「ポスト・フェミニズムからはじめる」、「私たちはいまや、ポスト・ポストフェミニズムなのか?」
・藤高和輝「「フェミニズム」に賭けられているもの」(二〇一九年冬号)で指摘されているように、「過去」と「現在」
四方田犬彦北朝鮮「帰還」船は新潟を出て、どこに到着したか」(「群像」)

 また、本文では、理論として、キム・スタンリー・ロビンソン(ロビンスン)「マットとジェフはボタンを押した」、フレデリック・ジェイムソン(ジェイムスン)「アメリカのユートピア」を噛ませています。
 その他、古川日出男ほか『オウムと死刑』、大江健三郎『青年の汚名』、宮内悠介『盤上の夜』、絓秀実『天皇制の隠語(ジャーゴン)』、『「帝国」の文学』にも触れています。「早稲田文学」を取り上げている文脈も本文に付記しました。

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 奇しくも、隣では樺山三英さんが、松崎有理『イヴの末裔たちの明日』の書評を書いておられますね。

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