「図書新聞」2021年4月10日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第七四回 マイノリティを挟撃する「リアリズム」を現状肯定の言い訳としないこと」が掲載

 発売中の「図書新聞」2021年4月10日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第七四回 マイノリティを挟撃する「リアリズム」を現状肯定の言い訳としないこと」が掲載されています。言いたいことが、タイトルにあらわれていますね。
 今回はミャンマーのクーデターが深刻化した状況を分析し、「スッキリ」が喧伝したアイヌ民族へのヘイトスピーチ(結果として差別煽動効果をもった表現)を批判しつつも、以下の作品を取り上げています。

・中西嘉宏『ロヒンギャ危機――「民族浄化」の真相』(中公新書)および「ミャンマーでのクーデターとロヒンギャ危機」(中公新書Web)
・廣瀬陽子『ハイブリッド戦争――ロシアの新しい国家戦略』(講談社現代新書
・「思想」二〇二一年二月号の特集「採掘―採取 ロジスティクス――批判地理学の最前線」
・嘉密斉・史密斯『原子間諜 ――原子の城〔アトムスク〕』(森井勝利訳、綺想社)
・アフマド・サアダーウィー+酒井啓子+山本薫「別のレベルの「現実」を求めて」(「すばる」)
・アフマド・サアダーウィー『バグダードフランケンシュタイン』(柳谷あゆみ訳、集英社
・富田大智監督『Future is Mine―アイヌ、私の声―』(Hulu)
・ジュリア・フィリップス『消失の惑星(ほし)』(井上里訳、早川書房
・木村友祐「きわに暮らす者たちの十年」(「すばる」)
・上田早夕里『ヘーゼルの密書』(光文社)
古川日出男「国家・ゼロエフ・浄土」(「群像」
小林エリカ「最後の挨拶――His Last Bow」(「群像」)
若島正「「解釈」という名の物語――ジーン・ウルフアメリカの七夜」を読む」(「SFマガジン」)
・佐藤=ロスベアグ・ナナ編『翻訳と文学』(みすず書房)および佐藤=ロスベアグ・ナナ「証しの空文――鳩沢佐美夫と翻訳」
・邵丹「Welcome to the Monkey House――日本におけるカート・ヴォネガット文学の受容」(『翻訳と文学』)
佐藤厚志「象の皮膚」(「新潮」)
山尾悠子『山の人魚と虚ろの王』(国書刊行会

 

 加えて、古川日出男『ドッグマザー』、アラン・ロブ=グリエ『嫉妬』、小林司・萩原洋子『4時間で覚える地球語エスペラント』等についても触れています。
 「図書新聞」はコンビニのマルチコピー機で、バックナンバーを含めて有償ダウンロードできます。今回の号は明日から。

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