「図書新聞」2019年6月8日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第五二回 言葉ならざる言葉を「日本」に閉じ込めてしまわないために」を寄稿

本日発売の「図書新聞」2019年6月8日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第五二回 言葉ならざる言葉を「日本」に閉じ込めてしまわないために」を寄稿しました。今回は丸山穂高の「戦争で北方領土を取り戻す」発言および「アイヌ新法」をめぐる国会でのアイヌ差別発言を批判し、以下の作品を取り上げています。


・石倉真帆「そこどけあほが通るさかい」(群像新人文学賞受賞作)
・今村夏子「むらさきのスカートの女」(「小説トリッパー」)
小山田浩子「園の花」(「文學界」)
・仙田学「アイドル」(「文藝」)
・近本洋一「逆立ちした塔――伊勢神宮保田與重郎三島由紀夫中野重治」(「すばる」二〇一九年五月号)
・先崎彰容「天皇と人間――坂口安吾和辻哲郎」(「新潮」)
杉田俊介橋川文三とその浪曼」(「すばる」連載)
宮澤隆義「資本主義という「戦争」――中野重治の戦時下批評から」(「群像」)
山城むつみベンヤミンのメキシコ学――運命的暴力と翻訳」(「新潮」二〇一九年五月号)および「連続する問題 第五回 フェンスと傷口」(「すばる」二〇一九年四月号)
・宮内悠介「ホテル・アースポート」(『GENESIS 一万年の午後』、東京創元社
・久永実木彦『一万年の午後』(『GENESIS』)

その他、小坂洋右『流亡』、鎌田哲哉橋川文三に関する小文、向井豊昭『怪道をゆく』などに触れています。

I contributed 52th literary critic on Book Review Press 06/08/2019. It features a political gaffe about Japanese "Northern Territory".

「Role&Roll」Vol.176に、『エクリプス・フェイズ』の入門シナリオ&運用ガイド「ババ・ヤガーヴァンの破滅の予言」が掲載

発売中の「Role&Roll」Vol.176に、『エクリプス・フェイズ』の入門シナリオ&運用ガイド「ババ・ヤガーヴァンの破滅の予言」が掲載されています。緊張感に満ちた展開、ディヴェロップメントを重ねて練りに練った本格アドベンチャー・シナリオです。

We developed a new Eclipse Phase adventure scenario “The prophecy of doom” for Role&Roll magazine Vol.176.

 

 

Role&Roll Vol.176

Role&Roll Vol.176

 

 

「現代詩手帖」2019年6月号の「詩の未来へ 現代詩手帖の60年展」特集において、「私と「現代詩手帖」アンケート」に参加

現代詩手帖」2019年6月号の「詩の未来へ 現代詩手帖の60年展」特集において、「私と「現代詩手帖」アンケート」に参加しています。

現代詩手帖 2019年 06 月号 [雑誌]

現代詩手帖 2019年 06 月号 [雑誌]

 

「ナイトランド・クォータリーvol.17 ケルト幻想〜昏い森への誘い〜」(アトリエサード)が、2019/6/5ごろ発売

 お待たせしました。「ナイトランド・クォータリーvol.17 ケルト幻想〜昏い森への誘い〜」(アトリエサード)が、2019/6/5ごろ発売になります。

 今号は完全新体制での号となります。
 前号に続いて岩田恵さんをプロジェクト・マネージャーに据え、岡和田晃は2代目エディター・イン・チーフとなりました(岡和田はアトリエサード社員ではなく外部編集者の立場なので、こういう形でお願いしています)。
 そのうえで……これまでのホラー&ダーク・ファンタジーの蓄積を、より拡がりのある文脈に接続すべく試みました。
 今号の目玉は、井村君江ロング・インタビューです!
 関連し、うつのみや妖精ミュージアムの模様をヴィジュアルで紹介しています。
 藤原ヨウコウさんの新コンセプトのアート「Visonary Celtic」も惚れ惚れする美しさです。
 また、古典新訳は『ルクンドオ』が好評の遠藤裕子さんによるアーサー・マッケン「変容」(旧訳では「変身」)。
 ボブ・カランの訳や『幻想と怪奇の英文学』シリーズで知られる下楠昌哉さんにはジェレマイア・カーティンを選定&翻訳していただきました。
 いずれも、土俗的なホラーの妙味を堪能いただける逸品です。

 現代作家は、いずれも、本邦初紹介の実力が確かな作家ばかりを選定しました。
 ブライアン・オールディスやM・ジョン・ハリスンの訳で知られる大和田始さんに、ピエール・コムトワを担当してもらいました。ケイオシアム社で小説も出している作家ですが、今回訳した「幻の巻狩」は、アーサー・マッケンをリスペクトした作品です。
 ジェフ・C・カーター「かかる警句のなきがゆえに」はヘリオガバルスと剣闘士がモチーフ。なんと、今作が世界初公開になります。
 デヴィッド・テラーマン「木の葉のさだめ」は、レイ・ブラッドベリオーガスト・ダーレスを彷彿させるノスタルジアの観点からの「ケルト」解釈。
 リサ・L・ハネット「食べさせてあげなきゃ」は、「インスマウスの影」のケルト版!? ともいうべき作品ですが、多用な解釈が可能です。

 既訳のある現代作家としては世界幻想文学大賞作家アンジェラ・スラッターの「赫い森」。王道ダーク・ファンタジーです。こちらは拙訳でお楽しみください。

 日本人作家は橋本純さん、松本寛大さん。橋本さんの「いつか野に咲く麦になるまで」は『ガリア戦記』のエピソードを正面から再話したもの。
 松本寛大さんの「ケルトの馬」は、プレグジットやテロリズムの状況と「ケルト」を融合させた作品。

 批評とブックガイドも充実。
 朝松健さんは、アーサー・マッケンと魔術について、深く掘り下げた論考を書かれています。
 『プリズナーNo.6完全読本』で、『秘密諜報員ジョン・ドレイク』の力作レビューを書かれた深泰勉さんが映像と音楽についてのコラムを。
 徳岡正肇さんは、デジタルゲーム『Hellblade』やライナー・クニツィアの『ケルト』についてレビュー。

 岡和田はアーサー・マッケンやヘレン・マクロイ、M・ジョン・ハリスンについて単発で批評を書き、児童文学(アラン・ガーナー、モリー・ハンター、ピーター・ディキンスン)、ノンフィクション(フローラ・アニー・スティール、『バルサス=ブレイス』、鶴岡真弓、木原誠など)、フィクション(ロード・ダンセイニ芥川龍之介、ピーター・トレメインなど)についてガイドを書きました。
 なお、発行が遅くなり申し訳ありません。次号は改善したいと思います。

 

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■主な内容
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■アーサー・マッケン「変容」/訳:遠藤裕子
■ピエール・コムトワ「幻の巻狩」/訳:大和田始
■ジェレマイア・カーティン「聖マーティン祭前夜 (ジョン・シーハイによって語られた話)」/訳:下楠昌哉
■ジェフ・C・カーター「かかる警句のなきがゆえに」/訳:待兼音二郎
■デイヴィッド・テラーマン「木の葉のさだめ」/訳:待兼音二郎
■リサ・L・ハネット「食べさせてあげなきゃ」/訳:徳岡正肇
■アンジェラ・スラッター「赫い森」/訳:岡和田晃

■橋本純「いつか野に咲く麦になるまで」
■松本寛大「ケルトの馬」

井村君江インタビュー「"General Literature"としての幻想文学ケルト研究」

■Night Land Gallery うつのみや妖精ミュージアム 常若の国への招待状/岡和田晃
ケルト妖精譚とホラー映画の微妙な関係/深泰勉
カナザワ映画祭が池袋で「大怪談大会」を開催!/いわためぐみ
■〜夜の国の幻視録 その1〜 「Visionary celtic」/藤原ヨウコウ
■アーサー・マッケンから流れる、ケルト精神の水脈――「パンの大神」、『翡翠の飾り』、ヘレン・マクロイ『牧神の影』/岡和田晃
■深き森の闇より ─ケルト文芸復興・魔術結社・幻想作家を巡る装飾的夢想─/朝松健
■Hellblade: Seuna's Sacrifice――「闇」と戦うピクトの女戦士が歩む、復讐と幻想の旅路/徳岡正肇
ボードゲームケルト(Keltis)」レビュー ――ドイツの数学者が幻視したケルトとは/徳岡正肇
アイリッシュミュージックの歌姫の浸透と拡散/深泰勉

■【ブックガイド】/岡和田晃
 □ケルトな幻想児童文学への招待 
 □M・ジョン・ハリスン〈ヴィリコニウム〉シリーズと転覆の美学 
 □「ケルト幻想」の淵源を知るために ──豊穣なる「ケルト研究」の世界 
 □今号のケルト幻想ホラー小説群を、より広い視座から味わい尽くすために

■表紙作品:戸田和子(うつのみや妖精ミュージアム所蔵)

http://athird.cart.fc2.com/ca8/264/p-r8-s/

 

ナイトランド・クォータリーvol.17 ケルト幻想〜昏い森への誘い〜

ナイトランド・クォータリーvol.17 ケルト幻想〜昏い森への誘い〜

 

 

「日本近代文学」第100集(2019年5月)に『反ヘイト・反新自由主義の批評精神』(寿郎社)書評(西野厚志)が掲載

日本近代文学会の学術誌「日本近代文学」第100集(2019年5月)に、西野厚志さんが『反ヘイト・反新自由主義の批評精神』(寿郎社)の長い書評を寄稿してくださいました。学会誌という場なので、ともすれば酷評も覚悟しておりましたが、面識がない私の他の仕事も丹念に渉猟して下さり、感無量です。

 

湯島サロン「石牟礼道子から水俣を考える」のご案内

 以前、『パラノイア:ハイプログラマーズ』を出張でGMした際にご一緒し、『アイヌ民族否定論に抗する』や『反ヘイト・反新自由主義の批評精神』の感想も書いてくださった佐藤修さんのご厚意で、佐藤さんが主催あれる湯島のサロンスペース「コンセプト・ワークショップ」にて、以下のような企画を行うことになりました。私が書いた石牟礼道子論をベースに、水俣病や文学、社会と政治の問題について話し合うというものです。会場費だけでご参加できますので、どうぞお越しください。

石牟礼道子 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

石牟礼道子 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

 

 
■湯島サロン「石牟礼道子から水俣を考える」のご案内(文:佐藤修

水俣を語る石牟礼道子さんは今もなおテレビや書籍で話題になっていますが、水俣病そのものは次第に忘れられつつあります。
水俣病が社会に問題提起したメッセージは、実に多岐にわたるのですが、それがしっかりと受け止められているとは思えません。
石牟礼道子さんが亡くなって「殿堂入り」した反面、石牟礼道子さんが問題にした水俣病そのものは切り分けられ、過去の遺物として忘れられようとしています。
私自身も、そういう流れに引き込まれそうになっていました。
それを気づかせてくれたのが、文芸評論家の岡和田晃さんです。
そこで岡和田さんに頼んでサロンを開くことにしました。

岡和田さんは多方面で活動している若い文芸評論家です。
https://akiraokawada.hatenablog.com/about
私が「文芸評論」ということを少し理解できたのは、岡和田さんの著書「反ヘイト・反新自由主義の批評精神」を読ませてもらったおかげです。

岡和田さんは、水俣に深く関わってきたわけではなく、あくまでも文学を通じて思考の対象としてきたようです。
岡和田さんにサロンを頼むなら、アイヌの問題かSFかゲームかだと思っていましたが、岡和田さんが最近、河出書房新社版ムック『石牟礼道子 さよなら不知火海の言霊』に寄稿した石牟礼道子論(「石牟礼道子という表現運動(ドキュメント)」)を読ませてもらって、岡和田さんに水俣を話してもらいたくなりました。
現代という社会の中で、水俣を考えさせてもらえそうだからです。
あるいは、水俣を超えて、水俣病が顕在化した今の社会のありよう、さらには、政治や文学の話にまで広がるかもしれません。
言葉を専門とする岡和田さんの石牟礼道子論にも興味があります。
そこで、ぶしつけにお願いしたところ、引き受けてもらえました。

どんな話が展開されるか楽しみのサロンです。
このところ湯島のサロンでも2回ほど、水俣が話題に出ましたが、改めて水俣を思い出したい人、あるいは新たに水俣を知りたい人は、ぜひご参加ください。
いつもよりちょっと長いお話を岡和田さんにはしてもらおうと思います。

なお、できれば、河出書房新社の『石牟礼道子 さよなら不知火海の言魂』をあらかじめお読みください。岡和田さんの論考以外にも興味あるものが多いです。
参加ご希望の方は、事前にご連絡ください。

〇日時:2019年6月22日(土曜日)午後1時半~午後4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
○テーマ:「石牟礼道子から水俣を考える」
○問題提起者:岡和田晃さん(文芸評論家)
〇参加費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com)

「図書新聞」2019年5月25日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第五一回 「令和」にリセットされない推進力を確保せよ!」が掲載

 早いところでは本日から購入できる「図書新聞」2019年5月25日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第五一回 「令和」にリセットされない推進力を確保せよ!」が掲載されています。新元号に関する狂騒の性質を分析・批判しつつ、以下の作品を取り上げました。
・伊藤浩子『たましづめ/夕波』(思潮社
火野葦平天皇組合』(河出書房新社)および陣野俊史・高沼利樹の解説
笙野頼子の新連載「会いに行って――静流藤娘紀行」(「群像」)
・澤田展人『ンブフルの丘』(北海道新聞文学賞受賞作、北海道新聞社)
・奥野佐世子「逃げ水は街の血潮」(文學界新人賞受賞作)
・田村広済「レンファント」(文學界新人賞受賞作)

 また、山城むつみ「文学のプログラム」、藤枝静男「風景小説」、見延典子『もう頬づえはつかない』などにも触れています。
 今回は、新元号の問題をしっかり分析したこともあって、取り上げる作品数は少なめです。次号に回したものもありますので、そちらもお待ちください。
 コンビニでのダウンロード購入は明日からですが、このたび、ローソンとファミリーマートに加え、セブンイレブンでもダウンロード購入が可能になりました。
My latest monthly literary review has just published on Book Review Press 05/25/2019. It criticize about new Japanese era severely.