そして、『堕落の書:トゥーム・オヴ・コラプション』の薦め


 あと、『GAME JAPAN』の『ウォーハンマーRPG』関係だと、『堕落の書:トゥーム・オヴ・コラプション』の紹介記事も素敵です。ああ、やっぱ「ゲテモノ食いの極み」に注目するのね(笑)

堕落の書:トーム・オヴ・コラプション (ウォーハンマーRPGサプリメント)

堕落の書:トーム・オヴ・コラプション (ウォーハンマーRPGサプリメント)

 「奇怪にしてなお魅惑的な混沌のるつぼがここにある」……。


 いま、私も『堕落の書:トゥーム・オヴ・コラプション』を精読していますが、もう素晴らしすぎます。


 初版時には、『堕落の書:トゥーム・オヴ・コラプション』の全身である『レルム・オヴ・ケイオス』の邦訳は、出版されませんでした。
 『ルーンクエスト』のときも、混沌に関するサプリメントは、日本語では出ませんでした。
 紹介者は最善を尽くしていたはずですから(『レルム・オヴ・ケイオス』の涙なしには語れないエピソードを、友野詳さんからお聞きしたこともあります)、とどのつまりは状況が悪かったのでしょう。


 しかし、時代は変わりました。
 ようやく『堕落の書:トゥーム・オヴ・コラプション』が出たのです。これを手に入れずして、何を手に入れる? 

 『堕落の書』は、イギリスファンタジーの基本である混沌について詳細に解説がなされた、日本語で読むことができる唯一の書物であり、初版では状況のせいでお目見えできなかった『レルム・オヴ・ケイオス』の15年ぶりに出た正統な続編なのです。


 『堕落の書』が書物として優れていることは言うまでもありませんが、私の野望として、イアン・ワトスンバリントン・ベイリー、ブライアン・ステープルフォード、ストーム・コンスタンティン、ポール・マコーリィ、ジョン・ブラナー、チャールズ・プラットら、イギリスの優れた作家たちが書いたウォーハンマー小説を、ぜひとも日本に紹介したいというものがあります。
 そうして、SFとRPGと文学とのいちばん美味しいところを、ぜひとも広く深く伝えたいと思っているのです。


 そのためにもやはり、もととなるRPGには売れてもらわなければなりません。  
 『堕落の書』は買うべきです。決して、損はしません!


 世界を混沌の渦で覆い尽くせ!

 混沌のパワーを掴み取れ!

 世、まさに滅びんとす。悪疾の穢れが風によって拡散し、水に染み込み、土壌そのものを汚染している。穢れに触れた者は蝕まれ、混沌変異や奇形を発症する。染みとおった邪悪の気によってすっかり変わり果て、完全な狂人と化してしまうのだ。いっさいが、混沌の仕業だ。混沌――それはオールド・ワールドや、その彼方までを覆う影である。それは北方からの戦慄すべき脅威であり、人間、エルフ、ドワーフ、いずれの心にも大きく覆いかぶさっている。


 そして今、この恐るべき大勢力の全貌が、ウォーハンマーRPGの世界で明らかにされる。『堕落の書』――この堂々たる大著は混沌のあらゆる秘密を解き明かし、贅沢なまでに詳細な記述をくり広げる。ミュータントやケイオス・スポーン(混沌の落とし子)の無数の派生形から、影の森やドラクヴァルドの森の知られざる奥地に出没するビーストマン、悪夢の産物たるおぞましいディーモンにいたるまで、混沌と、そのあらゆる奇怪な形態にまつわる全てが、このソースブックに含まれるのだ。


 冒涜的なこの大著の内容を、以下に列挙する。


・150種類以上の新しい混沌変異。これによって独自の醜怪なミュータントを、仕える混沌の神に沿って作成することができる。
・オールド・ワールドの混沌教団の詳細情報。ひねくれた“遊蕩者”や、“臭い袋の使徒”などがある。
・混沌の物質の数々。『残酷なる饗宴』や、『肉體総覧』といった書物もある。
・人類の敵ビーストマンの作成に特化した情報やガイドライン。これによって『オールド・ワールドの生物誌』で紹介された情報が、劇的に拡大される。
・混沌の気に触れた大量のモンスター群。アンフィスビーナ、バジリスク、ジャバーウォックなど、多士済々というほかない。
・ノーシャの地誌案内。ノース人のキャラクター作成や、ノーシャを舞台にしたキャンペーンについての指針もある。
・混沌の残虐なる民の詳細情報。クルガン人やケイオス・ドワーフをその対象とする。
・混沌の奉仕者に関する専用ルール。新キャリアや、混沌の神々による褒賞や恩賞も含めてだ。
・100種類以上の混沌の武器や、奇抜な魔法アイテム。混沌の神々の名において奮戦するには欠かせない。
・拡大された混沌の魔法体系。ナーグル、スラーネッシュ、ティーンチに仕える妖術師を対象に、『恍惚』、『肉の人形』といった各種呪文が追加される。
・拡張版混沌の副作用。暗黒の魔術に手を染めた者はよくよく注意をすることだ。
・混沌のディーモン全種類の完全なデータ。哀れなナーグリングから、恐るべきキーパー・オヴ・シークレットまで多種多様だ。
・枚挙に暇のない狂気、そして病気。
・混沌の荒れ野の拡大情報。そこで出くわしうる不可思議な地点についても語られる。
・勇猛無比な英雄ですら恐怖のあまりに発狂せんばかりのさらなる詳細。


 『堕落の書』には、混沌とその奉仕者に関する情報が詰め込まれている。ゲーム・マスターにとって必要不可欠の指針となるばかりか、ウォーハンマーのキャラクターに、混沌に仕える自由をもたらす。そのために追加されたキャリア、呪文、儀式魔術、アイテムといった、狂気をもたらす詳細の数々によって、君たちのゲームはがらりと変わり、決して元に戻ることはないだろう。