8月9日に開催されたユーザー主体の『ウォーハンマーRPG』オンリーコンベンション第2回にGM参加しましたので、そちらのレポートを掲載させていただきます。ありがたくも5人もの参加希望をいただいたのですが、スケイブン卓で5人は(私の)キャパシティ的に厳しかったので、じゃんけんで1人の方には移動をしていただきました。未訳サプリメント“Children of the Horned Rat”を主体としつつ、前回遊んだものにさらに磨きをかけた仕様となりました。
WFRP Children of the Horned Rat (Warhammer Fantasy Roleplay)
- 作者: Green Ronin
- 出版社/メーカー: Black Industries
- 発売日: 2006/05/23
- メディア: ハードカバー
- クリック: 23回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
お話はミドンヘイムの地下で暇を持て余していたスケイブンたちの日常を活写するところから始まる。「混沌の嵐」に伴う防衛網ということでミドンヘイムの地下も人間たちによって封鎖されてしまっていたわけなのだが、ボリス・トッドブリンガー伯爵がアーケィオンの残党を征伐するために出払っていた隙に、封印が徐々に解かれてきた(つまり、『ミドンヘイムの灰燼』のP30に詳しく説明されているような状態になってきた)。
その隙をついて名を上げようと、氏族の有望株である若い者たち(経験点500)は、ミドンヘイムの地下をうろつき回っていた次第。と、3人の下水道調査隊員が近づいてくるのにぶつかる。慌てて身を潜めるが、潜めた先にはこれまたミドンヘイムの地下に潜伏していた“紫の手”教団(ティーンチのカルト)でした。かつて(初版の「内なる敵」キャンペーンの時代)は権勢を誇っていた“紫の手”教団も、今や単なる弱小カルト。地下へ潜って起死回生を狙っていたのも束の間、こうしてスケイブンたちに鉢合わせしてしまったのだ。悪に敵対する者はやはり悪というのかどうかは知らないものの、“紫の手”教団員たちはスケイブンたちに狙われたと思い込み、虎の子のミュータント(身体が金属で出来ており、ケイオス・ウェポン「ティーンチの牙」持参)を出撃させる。
- 作者: グレアム・デイヴィス,岡和田晃
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2008/07/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 15回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
一方、“紫の手”教団の猛攻は、なんとかペスティレン氏族のスケイブン(ニッペング・アー)が壁となってしのいでいるが、ミッティリッティが倒れたこともあって多勢に無勢は拭えない。ただそんな時、辛うじてミュータントの【耐久力】を0したチュン・キーに向け、「ティーンチの牙」から声が聞こえてきた。
「ティーンチの牙」を介して、ティーンチのグレーター・ディーモン、ロード・オヴ・チェンジが誘いの声をかけてきたのだ。「力がほしい!」と即答したチュン・キーはティーンチの恩寵(「変異の祝福」)を授けられ、混沌変異を4つも与えられる。かくして、混沌変異したチュン・キーの力によって、一行は並み居る敵を撃退した。そして、下水道調査隊員の懐から、ミドンヘイムの詳しい地図を入手したのだった。
それから数ヶ月。スケイブンたちは、ミドンヘイムの古草地区を中心に誘拐や略奪をこなし、着実に氏族内での地位を向上させたのだった(獲得経験点2200+α)。
成長した結果は以下の通り。
チュン・キー/モウルダー氏族のパックマスター→ケイオス・ウォリアー(ティーンチ)/常に鼻水を垂らしている。ティーンチの加護を受けて、混沌の戦士の道を進むことになった。
ニッペング・アー/ペスティレン氏族のプレーグ・モンク→プレーグ・デーコン/虚弱体質と見せかけて相手の隙を突くのが得意。病気を振り撒くのが得意。成長によって毒を振り撒くのも得意となった。
ミッティリッティ/スクリール氏族のスカーミッシャー→クローリーダー/なんとメス! 人間から奪ったガーターベルトなんかを身につけている。新しいスケイブン像を提示した。クローリーダーとなったことで、部下のクランラットを4人獲得した。
ハッチュリくん/エシン氏族のナイトランナー→ソーサラー/赤ら顔で「ニンニン」と言うのが口癖。ソーサラーとなり、スケイブン魔術(Stelth)を習得した。
氏族の中核を担うようになったスケイブンたちだが、一方チェン・キーはティーンチの寵愛を受け続けた結果、“紫の手”教団の生き残りの崇拝を受けるようになり、他のスケイブンたちから警戒されるようになる。
そんな折、チュン・キー以外のスケイブンは、グレイ・シーアの長老より、ボリス・トッドブリンガー伯爵の娘カタリーナを生娘のままさらって、儀式魔術のための生贄とするよう指示を受ける。
一方、チュン・キーはロード・オヴ・チェンジから、同じくカタリーナをさらって、ミドンヘイムのウルリック大神殿の聖なる炎で穢した後、ティーンチへ捧げるべしとの指令を受ける。儀式のための星辰に、由緒正しきチュートゲンの血が見合う状態であるらしい。
こうして、それぞれの思惑のまま、下水道からカタリーナの行方を捜す。ただ、基本的に人のいいチュン・キーはあっという間に計画を見抜かれてその中身をほのめかしてしまう。そこで残りの3人は彼をぎりぎりまで利用しつつ美味しいところを持って行くことに決める。間違って、ウルリックの大神殿に先に出てしまいミッティリッティの部下が犠牲になったりしつつ、宮殿の中のカタリーナの私室に出る。そこで、カタリーナの護衛をしていたオウガのナット隊長を撃退しつつ、ハッチュリくんがカタリーナをさらおうとしたら、食客となってきた冒険者の一団(エルフの医者、人間の古参兵、ドワーフの古参兵、ドワーフの盾砕き)に食い止められる。ハッチュリ君のスケイブン魔術をうまく駆使し(“Black Whirlwind”などを、力の石を活用して発動させた)、冒険者たちを食い止める。そして、ドワーフの古参兵を“Death Frenzy”の呪文で狂乱させ、冒険者たちを撃退した。
そうして、一行はカタリーナを無事にさらって戻ってきたのだった。しかし、ミッティリッティの手下のクランラットはもはや1体しか残っていない状態に。
アンダー・ミドンヘイムに戻る途中、巡回を強化していたウルリック教団のチュートゲン親衛隊にニッペング・アーが追いつかれるなどのハプニングもあったが、仲間思いのチュン・キーが後ろ向きに進んで相手を驚かし((恐怖点を獲得して得た《怪奇な顔》、《恐怖誘発》の異能を有効活用するため。ただし「呆然自失」の混沌変異を得てしまっているため、相手を正面から見られない))、無事、懐かしき地下世界へと戻ったのだった。
先に出発していたミッティリッティとハッチュリくんは、抜け駆けをしてグレイ・シーアの長老連にカタリーナを捧げる。長老は大喜びし、カタリーナに忌まわしき「種付け」の儀式を行なう。こうして儀式魔術は完成し、ミドンヘイム住民の多くはスケイブンに姿を変えるか、塵と化した。
なお、子作りになれていたはずのミッティリッティも、さすがに儀式の忌まわしさを目にして正気を失い「異性恐怖症」と相成った。
ニッペング・アーは、「傷が痛む。置いていかないでくれ」と哀願するふりをして、チュン・キーを足止めする。仲間を心から信じていたチュン・キーは、使命を達成できずに怒るロード・オヴ・チェンジにも「結果的にスケイブンが増えたのだから、潜在的なティーンチ信者も増えたのでは」と楽観的な発言を繰り返し、呆れられる。
最終的に、チュン・キーが獲得した混沌変異はなんと10個(!)*4、混沌変異の上限は1d10+【頑健力】ボーナスで(この時は11)、上限に達すると知性のないケイオス・スポーンと化してしまう。彼が歪みの巨匠の愛子となる日も近いだろう。
と、実に酷い(褒め言葉)の結果となりました。ダーティ極まりないシナリオですが、CMで作った予告通り「オールド・ワールドの命運を握る」シナリオにできてけっこう満足しております。アンケート評価でも多くの方に(GM評価/シナリオ/進行)満点の評価をいただいて、プレイヤーの方にも満足いただけたのではないかと思います。どうもありがとうございました。参加者の皆さん、GMの皆さん、実務を取り仕切られた主催者のマサキさん、お疲れさまでした。
オールド・ワールドの面白さが、少しでも多くの人に伝わっていけばいいな、と思います。次は11月にあるとか。楽しみ!