私が編集長をつとめる幻視者のためのホラー&ダークファンタジー専門誌「ナイトランド・クォータリーvol.21 空の幻想、蒼の都」が発売になりました。
空や飛行にまつわる驚異のインスピレーションの数々を、特別増頁でお届けします!
エドガー・アラン・ポー、アダム=トロイ・カストロ、マージョリー・ローレンス、M・ジョン・ハリスン、アーネスト・ヘミングウェイ、カリーナ・ビセット、アラン・バクスター、フーゴ・ハル、草薙刃、井上雅彦など小説10編。
また、中野善夫ロングインタビューの他、待兼音二郎、安田均、白沢達生、浅尾典彦、岡和田晃などによるエッセイ、ブックガイド、詩などなど読み応えたっぷりです!
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■主な内容
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【Story】
■エドガー・アラン・ポー「軽気球夢想譚」/訳:長澤唯史
■アーネスト・ヘミングウェイ「パリからストラスブールへの飛行機の旅は、ナマのキュビスム絵画の展覧会だ」/訳:岡和田晃
■フーゴ・ハル「失物之城 ピレネーの魔城・異聞」/訳:奥谷道草
■アダム=トロイ・カストロ「赤い雨」/訳:田村美佐子
■カリーナ・ビセット「毒娘の花園」/訳:待兼音二郎
■アラン・バクスター「鴉酒」/訳:徳岡正肇
■M・ジョン・ハリスン「混乱の祭主たち」/訳:大和田始
■マージョリー・ローレンス「宙を歩いた男──あるいはビグルスウェイド氏のブーツ」/訳:渡辺健一郎
■井上雅彦「〈ミライ妖カイ幻視行〉第二話 彼方でいつまでも」
■草薙刃「ボーダレス・ブルー」
【Interview】
■中野善夫インタビュー「マッド・サイエンティストになりたかった――幻想文学という空中楼閣へ/聞き手=岡和田晃・岩田恵、構成=岡和田晃
【Poetry】
■アーレアの守護者による頌歌/詩=岡和田晃、絵=土田圭介
【Essay】
■空に憧れて、蒼に浮かぶ/いわためぐみ、絵=目羅健嗣
■大砲の弾にのる男/浅尾典彦(夢人塔)
■「空」を思う音楽 ──無限の広がり、あるいは届かぬものへの憧れ/白沢達生
■天駆ける神、海と交わる来訪神/深泰勉
■空飛ぶ島ラピュータの解釈学/岡和田晃
■ロバート・ジョンソンはなぜ伝説に祭り上げられたのか?/待兼音二郎
■「虚舟」の映画/浅尾典彦(夢人塔)
【Serial】
■〈アンソロジーに花束を〉第四回 一世紀のアンソロジー/安田均
【Game】
■大空の「理想郷」を描くBioshock Infinite──ゲームはいかにして物語をプレイヤーに伝えるか/徳岡正肇
【Book guide】/岡和田晃
■多元宇宙論の先駆者たち ──カンパネッラとブルーノ
■シミュレーションがホラーに奥行きを与える
■「毒娘の花園」の解釈学
■太陽の金色の林檎を掴み取るための土俗性
■表紙/土田圭介「心の街」
ちなみに「ナイトランド・クォータリーVol.21 空の幻想、蒼の都」に入っている岡和田のブックガイドは、雑誌全体の構成や他の原稿を文脈面で補完するものを意識しました。
以下、言及作品を。紹介します。
・トンマーゾ・カンパネッラ『哲学詩集』
・ジョルダーノ・ブルーノ『無限、宇宙、および諸世界について』。
・吉田親司〈ガ島要塞1942〉
・ピーター・P・パーラ『無血戦争』
・荒巻義雄『ロマノフ帝国の野望』
・朝松健『邪神帝国 完全版』
・『ホラー作家協会の詩篇陳列箱』(未訳)
・ロジャー・ゼラズニイ『光の王』
・マーガレット・セントクレア『どこからなりと月にひとつの卵』
・デイヴィッド・ブリン『サンダイバー』
・レイ・ブラッドベリ「太陽の金色の林檎」
・ロバート・F・ヤング「ジョナサンと宇宙クジラ」
あとは、「空飛ぶ島ラピュータの解釈学」では、
・ジョージ・マクドナルド『かるいお姫さま』
・N・K・ジェミシン『空の都の神々は』
・アダム=トロイ・カストロ『シリンダー世界111』
これらについても触れていますよ。