『アゲインスト・ジェノサイド』の予約が開始されています。

　わりとちゃんとしたお告知です。宣伝ごめんなさい。
　あくまで何事もなければですが、来たる5月30日あたりに、（狩岡源先生／アークライトの方々に監修していただいておりますが）僕にとって（翻訳書を除けば）初の単著である『アゲインスト・ジェノサイド』が発売される予定になっております。
　これはRPG『ガンドッグゼロ』のリプレイ集です。旧『ガンドッグ』では『ストレイ・ドッグ』、『マリオネット・ネメシス』と2冊の単行本が出ておりましたが、『ガンドッグゼロ』のリプレイ集では、本書がはじめての単行本となります。
　今回は最初に、「RPG（TRPG）とは」、「リプレイとは」「『ガンドッグゼロ』とは」というレベルから説明を添えることができましたので、RPGを知らない方も冒険小説や戯曲を読むような形でご堪能いただけます。

　本格的にライター活動をはじめ、二年半あまり。ようやく単著を出させていただけるところまでこぎ着けました。これも、周りで支えていただいた方々のおかげ、最も辛い時期ですら僕を暖かく受け入れてくれた仲間のおかげ、そして何より、このブログをご覧になり、ご支援を下さっている皆さんのおかげです。本当にありがとうございます！ これからも努力を惜しまない所存です。

　現在発売中の『Role&Roll Vol.56』では、P10のBrand New Gamesで、大きく紹介をいただいています。Amazon.co.jpのリンクにも、書影が出ています(下の写真はAmazonにあるものの拡大版なので、あまり解像度がよくありません）。

ガンドッグゼロ リプレイ アゲインスト・ジェノサイド (Role&Roll Books) (Role & RollBooks)

　なお、今回のリプレイがロシア・カフカス地方を舞台にしていることもあり、表紙はヴォルゴグラードの「母なる祖国の像」（第二次世界大戦中の独ソ戦の際、スターリングラード攻防戦に勝利した記念に建てられた像）がモティーフにされています。
　http://d.hatena.ne.jp/koseki/20070907/motherlandから写真を引用させていただきますが、すさまじい迫力！　殺戮の意志に満ちた顔。エウリピデスの『メディア』のようだ。まさに「神話の大地母神」ってこんな感じなのだなあ、と思わせられます。
　何もかもが桁外れ。充満する野生と狂気。闘争本能を神話的な次元にまで昇華させています。

　なお、冒険小説や冒険映画のフレームを強く意識したお話になっています。
　映像・コミック作品などでは『ブラックホーク・ダウン』、『スターリングラード』、『メタルギア・ソリッド』、『ブラック・ラグーン』、『ゴルゴ13』、『懺悔』……。
　小説だと、『鷲は舞い降りた』、『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』、『ヒーザーン』、『ストーカー』、『虐殺器官』……。
　これらの名前に引っかかった人はぜひ、お読みになっていただけましたら幸いです。
　そうでなくとも、現代を舞台にしたフィクションに興味のある方には、ぜひ手にとっていただきたいと思います。また、ホラー風味こそ少ないですが陰謀劇といった側面も強いので、『クトゥルフ神話TRPG』などにご興味のある方もぜひ。もちろん『シャドウラン』や『サタスペ』、『ダークコンスピラシー』、『トラベラー』などが好きな方もよろしくです！

　僕なりに、「RPGでやりたかったこと」を追い求め、「RPGでしか出来ないこと」は何かを考え、工夫しつつぎっしり盛り込んだ内容になっています。
　RPGリプレイなので会話を主体にした軽妙なやりとりもふんだんに盛り込んでありますが、一方で、RPGを通して時代や歴史と向き合ったつもりでもいます。
　僕はバカなので、こういった方法しか取ることができないのです。

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　『ガンドッグゼロ』というRPGの関連書籍ですが、「RPGとは」、「リプレイとは」、そして「『ガンドッグゼロ』とは」いう根底のレベルから説明をすることができています。
　なので、RPG者、『ガンドッグゼロ』や『ウォーハンマーRPG』などを愛する人はもちろん(サプリメント『バイト・ザ・バレット』の内容も盛り込んでいますし）、ゲーマーではない人、物語のあり方に関心のある人、「若手SF評論家」としての岡和田に関心のある人や、岡和田を「ウェブで小難しいことを書き散らかしているブンガクかぶれ」みたいな認識をしている人（笑）にも、実のところ読んでほしいと思う次第です。

ガンドッグゼロ サプリメント バイト・ザ・バレット (Role&Roll RPG) (Role&Roll RPGシリーズ)

　もちろん拙い部分もあるかもしれませんが、人生捨ててバカやってます。そのあたりが少しでも伝わることを願っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。

Role&Roll Books
『アゲインスト・ジェノサイド』
（ガンドッグゼロ　リプレイ）

岡和田晃 著 　狩岡源／アークライト監修　イラストレータ：清水清、津田沼人
予価：1,200円（税別）　新書判　2009年5月30日発売予定

　混迷の地ロシアで、銃犬たちを陰謀が襲う！

　『ガンドッグゼロ』に初のリプレイ集が登場！　サプリメント『バイト・ザ・バレット』の情報も適用！　ルールをフルに活用した激しい銃撃戦、渦巻く陰謀と情報戦、曲者揃いの登場人物が繰り広げる虚々実々のやりとり――チェチェン紛争、パイプライン利権に絡んだ本格冒険小説さながらの展開は、まさに“喰うか喰われるか”！