お忙しいなか、kingさんが「SF乱学講座:「ナラトロジー」×「ルドロジー」――新たな角度からSFを考える」のレポートを書いて下さいました。ありがとうございます。
私が記録をアップするのには少々時間がかかってしまいますので、それまではぜひこちらのレポートをご覧いただければ、と思います。
http://d.hatena.ne.jp/CloseToTheWall/20090706
なおご質問いただいた件をこちらで。
『ハーモニー』については、今回の講演を叩き台にして、別に論文をまとめようと考えています。
また、オンラインRPGについては、実はTRPGとはまったく性質が異なります。
極めて大ざっぱな説明になりますが、オンラインゲームは「戦闘」を中心とした箱庭世界を提供します。そこでは、Second Lifeのように箱庭世界に生きることによって提示される物語は存在しますが、箱庭であるがゆえに、プレイヤーが能動的に世界そのものを変革することは極めて難しい。オンラインゲームは優れた文化ではありますが、『アゲインスト・ジェノサイド』で目指したような種類の物語を生成することはなかなかできないものと思います。
ただ、TRPGでも箱庭的な遊び方をする文化は昔からあります。逆に、オンラインRPGがTRPGに倣ったと見ることもできます。世界最初のTRPGである『ダンジョンズ&ドラゴンズ』などの遊ばれ方がその原型です(実際にオンラインRPGにもなっていますし)。
オンラインRPGの方が手軽に遊べてしまう現在、TRPGをやる意義はどこにあるのかということは、「Lead&Read」という雑誌で連載していた『ダンジョンズ&ドラゴンズ』リプレイでも追究したテーマなのですが、一言で言えば、TRPGでは、箱庭的に広大な世界、それこそトールキンの中つ国のような広大な世界に生きることと、物語的に一貫した意味を与えるという(相反する)作業を両立させることができるというところにあると思います。
また、「SFムーンストーン enziの日記」さまでも、イベントのご紹介をいただきました。ありがとうございました。