「SFマガジン」07月号に応答を掲載いただきました。


 「SFマガジン」2010年07月号の「てれぽーと」欄に、2010年05月号の「クトゥルー新世紀」における『クトゥルフの呼び声』(『クトゥルフ神話TRPG』)の評価について、いち『クトゥルフの呼び声』ユーザーとしての応答を掲載いただきました。4月08日付けで著したものでございます。


 内容について詳しくは本の方をご覧いただくとしまして、蛇足ながら付言させていただけば、私は中村融さんのお仕事をずっと尊敬いたしております。
 最近だと『二〇世紀SF』シリーズ、『不死鳥の剣』、『願い星、叶い星』、『フェッセンデンの宇宙』……など、ここから学ばせていただいたものは測り知れません。
 訳書や解説を通じてニッツィン・ダイアリスやジャック・ヴァンスの素晴らしい小説をご教示いただいたこと。
 また、アルフレッド・ベスターは“Virtual Unrealities”という短編集を四苦八苦しながら読んだ後に翻訳を読むと、技術に、文字通り目から鱗が落ちた思いを抱いたものでした。
 アーサー・C・クラークの「太陽系最後の日」の新訳も素晴らしかった。


 願わくば、私の応答は中村さんのいままでのお仕事に敬意を払い、そのうえで申し上げていることだとご理解をいただけましたら幸いです。ゲーム、特に『クトゥルフの呼び声』は、ラヴクラフトの衣鉢を真摯に受け継いだ直系の神話作品として見る必要があるものと私は考えています。

S-Fマガジン 2010年 07月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2010年 07月号 [雑誌]

 なお、今号ですが、とりあえず中野義夫さんの連載「黄昏の薄明かりの向こうへ」が素晴らしいです。幻想文学者はぜひ。
 永瀬さんの連載は、ついに『ハーモニー』と『すばらしい新世界』の対比が来た。誰かがやらねばならない仕事だったと思います。柴野拓美さんの業績にびっくりのひとこと。