「未来」2012年9月号に連載「向井豊昭の闘争」第9回「詩人、向井夷希微の血を享けて」を掲載いただきました。

 学術出版社・未來社のPR誌「未来」2012年9月号が頒布されています。私は連載「向井豊昭の闘争」の第9回「詩人、向井夷希微の血を享けて」を掲載いただきました。

・形という生命――ミケル・バルセロとともに 2  小林康夫
・スラヴィク先生の回想 デラシネ備忘録 32  町田幸彦
・ドイツの政治家と夏休み ドイツと私 49  永井潤子
・「まったく怒り心頭です!」 書簡で読むアフリカのランボー 16  鈴村和成
普天間基地の中に入ってみた 沖縄からの報告 31  桃原一彦
・「芸術」対「人間」 『キャントーズ』を読む エズラ・パウンドを求めて 2  中上哲夫
・詩人、向井夷希微の血を享けて 向井豊昭の闘争 8  岡和田晃
・熟議民主主義の地平 1  木前利秋
・「出版文化再生ブログ」から 3  西谷能英

 今回は石川啄木の『一握の砂』に詠われた向井豊昭の祖父、最初期に北海道の開拓の「矛盾」を告発した詩人でもある、向井夷希微(向井永太郎)を作家がいかに継承したかを論じています。向井豊昭は、北海道文学についての独自の研究成果を多数残していますが、その出発点には、歴史に埋もれた祖父を再評価したいという想いがあったのです。今回取り上げた「ええじゃないか」は傑作なので、もう少し紙幅をかけてじっくりと論じたいところ。