「パスカル・キニャール――文学の東方(オリエント)――」が開催されます。

 フランスのゴンクール賞作家パスカルキニャールが来日します。それを記念して日仏会館で開催される(2013年11月16日〜17日)国際シンポジウム「パスカルキニャール――文学の東方(オリエント)――」内のパネル「パスカルキニャールを読む日本の作家」(佐藤亜紀×小野正嗣)が開かれるのですが、主催側の小川美登里さん、石橋正孝さんより、このパネルの司会を拝命いたしました。
 パスカルキニャールは音楽・絵画等の芸術を主題として旺盛な創作活動を続けていますが、今回のイベントの重要性については、とりわけ現代日本ではヨーロッパ的な伝統に基づいた芸術がおよそ成立不可能となっている状況を抜きに、考えられないと思います。イベントのために邦訳既刊を色々と再読しましたが、孤高を貫き、表象と時空を自在にめぐるキニャールの創作活動から、私たちは旺盛に学ばねばならないでしょう。
 現在、書店では、キニャール作品の邦訳が入手しづらくなっていますが、このたび、会場では邦訳新刊『秘められた生』(小川美登里訳)が先行販売されます。また拙著『「世界内戦」とわずかな希望 伊藤計劃・SF・現代文学』も販売予定となっています。
 「パスカルキニャールを読む日本の作家」は16日の17:00〜18:00となっていますが、「パスカルキニャール――文学の東方(オリエント)――」そのものは16日の10:00から17日の19:00にかけて行なわれますし、なかにはキニャール自身が朗読を行なうミニコンサートのようなパネルもあるようです(注:こちらは日仏学院です)。学術発表に興味がある方はもちろんのこと、出入り自由で無料ですから、この機会にキニャール作品に触れてみたいという方も、お時間の許す方はぜひお越しください。

アマリアの別荘

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パスカルキニャール―文学の東方(オリエント)
[ 国際シンポジウム ]


使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: 2013年11月16日(土) 10:00 - 18:00
場所: 1階ホール


【挨拶】 クリストフ・マルケ(日仏会館フランス事務所)


【発表者】
パスカルキニャール(作家)
小川美登里(筑波大学
クリスチャン・ドゥメ(パリ第八大学、フランス国立大学研究院)
ミカエル・フェリエ(中央大学
ヤン・メヴェル(東北大学
魏 柯玲(北京連民大学)
桑田光平(東京大学
佐藤亜紀(作家)
小野正嗣明治学院大学、作家)
岡和田晃(文芸評論家)
ティエリ―・マレ(学習院大学
ヴァンサン・ジロー(京都大学
エベルハルト・グルバー(パリ第三ソルボンヌ=ヌーヴェル大学)
ベネディクト・ゴリオ(ヴァランシエンヌ大学)
高橋啓(翻訳家)
ミレイユ・カール=グルバー(パリ第三ソルボンヌ=ヌーヴェル大学)
博多かおる(東京外国語大学


【主催】 パスカルキニャール国際シンポジウム開催委員会、筑波大学(GNP)
【共催】 小川美登里(筑波大学)、日仏会館フランス事務所
【助成】 科学研究費、アンスティチュ・フランセ日本、フランス大使館、フランス大学研究院(IUF)
【後援】 東京外国語大学

・日仏会館のウェブログパスカルキニャール――文学の東方(オリエント)――」の紹介(プログラムブックがPDF形式で無料ダウンロードできます)
http://www.mfj.gr.jp/agenda/2013/11/16/20131116_pascal_quignard/index_ja.php


水声社ウェブログキニャール来日関連イベントのまとめ&『秘められた生』の紹介
http://www.suiseisha.net/blog/?p=2880