「季報 唯物論研究」125号に神山睦美『希望のエートス』の書評を掲載いただきました。

 「季報 唯物論研究」125号(編集・発行:季報『唯物論研究』刊行会)に、神山睦美『希望のエートス』の書評を掲載いただきました。とても光栄です。「季報 唯物論研究」は「哲学と生活現場の結合、日本と世界の現状の思想的分析と批判、現代思想および思想史の研究、社会主義思想の現代的探求、哲学的ジャーナリズムの展開、全国的国際的な知的協同と相互批判、日本の唯物論研究会運動の批判的継承」を編集目的とする雑誌で、現体制での運営は1981年4月発行の第1号から。硬質な社会思想や批評の言葉で紙面が満たされ、刺激的です。
 特集は「グローバル世界の現在をどう認識するか」。ここでは土佐弘之「食の脱領域化/再領域化をめぐって」や斎藤日出治「自由主義の統治術と新しいコーポラティズム」を特に面白く読みました。ヘイト・スピーチの蔓延に対する骨太の分析と批判、また、室伏志畔「谷川健一追悼」など、特集以外の記事も充実した内容になっていました。
 私は神山睦美さんの批評集『希望のエートス』を論じているのですが、その切り口は「破滅(カタストロフィー)の先に立つ批評」というもの。『「世界内戦」とわずかな希望』と共振しうる「死」の分析という観点から論じています。

 実店舗では模索舎、通販では「季報 唯物論研究」公式サイトで購入できます。執筆にあたってバックナンバーにも目を通しましたが、定期購読を主体とした雑誌で、批評がいかにして社会へ切り結ぶか、その動向に関心のある方には強くお勧めできます。

希望のエートス―3・11以後

希望のエートス―3・11以後