「図書新聞」2019年8月10日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第五四回 左派ポピュリズムとキェルケゴール的単独者の相克」が掲載されています。
このたびの参院選の低投票率その他の諸問題を批判的に検証しながら、以下作品について触れています。
・シャンタル・ムフ『左派ポピュリズムのために』(山本圭・塩田潤訳、明石書店)
・塩田潤「左派ポピュリズムと社会運動」(「季報 唯物論研究」)
・デイヴ・ディクター『MDC あるアメリカン・ハードコア・パンク史』(鈴木智士訳、Gray Window Press)および「すばる」でのモブ・ノリオの同書への書評
・三国美千子「2019年からの手紙」(「文學界」)
・木村英子「私が地域へ帰るとき」(『生きている! 殺すな やまゆり事件の起きる時代に生きる障害者たち』、山吹書店)
・村上春樹「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」「「ヤクルト・スワローズ詩集」(「文學界」)
・横田創「わたしを見つけて」(「ちくま」二〇一九年六月号)
・クリステン・ルーペニアン『キャット・パーソン』(鈴木潤訳、集英社)
・ルシア・ベルリン「どうにもならない」「ママ」「さあ土曜日だ」(岸本佐知子訳、「群像」)
・額田大志「トゥー・ビー・アニマルズ」(「悲劇喜劇」)
・ロバート・アイク「オレステイア」(平川大作訳、「悲劇喜劇」)
・アリストテレス『詩学』の新訳(三浦洋訳、光文社古典新訳文庫)
・ウィリアム・マルクス『オイディプスの墓――悲劇的ならざる悲劇のために』(森本淳生訳、水声社)
・「「私」的OKINAWA通信」の第一回(「三田文學」)
・「現代詩手帖」二〇一九年五月号の「台湾、現在進行形」特集
その他、今野大力、今村恒夫、ベルトルト・ブレヒト、テオ・アンゲロプロス『エレニの旅』、ソフォクレス『コロノスのオイディプス』などにも触れました。
なお、本文中でMillions Dead CopsがMillenium Dead Copsになってますね。指摘されるまで気づきませんでしたが、たぶん私の中で、ノーマン・コーンの千年王国主義とカウツキーの中世的共産主義の相克があった。関係者にはお詫びしつつ、頭文字をケース・バイ・ケースで変え続けるMDCならば許してくれるだろうと、気持ちはイキにさせておいてください!