「図書新聞」2018年12月15日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第四六回「「故郷」と「未来」の足場を揺るがす、「無責任の体系」の永劫回帰」が掲載されました。今回は泊原発再稼働論への批判と、『北電への手紙』(マルコ出版)の再評価から始まり、以下の作品を取り上げています。
・麻生直子『端境の海』(北海道新聞文学賞詩部門受賞作、思潮社)
・赤坂真理「箱の中の天皇」(「文藝」)
・「新潮」の特集「差別と想像力――「新潮45」問題から考える」および千葉雅也「平成最後のクィア・セオリー」
・モブ・ノリオ「渡部直己はただ一匹か数千万匹か?」(「すばる」)
・長崎健吾「故郷と未来」(群像新人評論賞受賞作)
・佐々木敦「FOR YOUR EYES ONLY――映像作家としてのアラン・ロブ=グリエ」(「文學界」)
・岸政彦「図書室」(「新潮」)
・谷崎由依「野戦病院」(「たべるのがおそい」)
・砂川文次「戦場のレビヤタン」(「文學界」)
・温又柔「誇り」(「すばる」)
・スティーヴ・ラズニック・テム「空腹」(待兼音二郎訳、「ナイトランド・クォータリー」)
・スティーブ・ジャクソン「トロール牙峠戦争」(安田均訳、「ウォーロック・マガジン」)
・山城むつみ「連続する問題」(「すばる」)
その他、赤坂真理『東京プリズン』、アラン・ロブ=グリエ『快楽の漸進的横滑り』などについても触れました。なお、今回は「全道ブラックアウト」すべきところを「全道ホワイトアウト」と書いておりますが、これは時節柄ゆえのズレ、批評性が結果として出ているので、残しておきます。