「図書新聞」2021年6月12日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第七六回 ガザ空爆が示す非-人間化のメカニズムに私たちは巻き込まれている」が掲載

 発売中の「図書新聞」2021年6月12日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第七六回 ガザ空爆が示す非-人間化のメカニズムに私たちは巻き込まれている」が掲載されました。
 今回は、岡真理『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房)を参照しながら、殺していい相手を矮小化するメカニズムと、安全地帯に居直る姿勢を徹底批判しています。関連し、ジャン・ジュネやレイチェル・コリー(山田和子訳)も紹介いたしました。
 次いで、以下の作品に言及しています。
・ロベール・パンジェ『パッサカリア』(堀千晶訳、水声社
ジャン=フィリップ・トゥーサン「風景の消滅」(野崎歓訳、「すばる」)
・塚本昌則「メランコリーの織物――〈写真小説〉論にむけて」(「思想」2021年5月号)
・石沢麻衣「貝に続く場所にて」(群像新人文学賞当選作)
・吉田恭子「ジャックと梟」(「三田文學」)
・ジェイムズ・M・ケイン『ミルドレッド・ピアース――未必の故意』(吉田恭子訳、幻戯書房
・勺禰子「瑕持たぬ腹」(「扉のない鍵」)
・橘夏生『歌集 セルロイドの夜』(六花書林
・神品芳夫『木島始論』(土曜美術社出版販売
・伊勢功治『北方の詩人 高島高』(思潮社
・若松伸哉「「孤独(アインザーム)」な交友――太宰治『惜別』と地方文化運動」(「日本近代文学」)
・王坤「現代中国における「天皇」についての認識――『人民日報』(1946~2019年)の論述を中心に」(「アジア社会文化研究」)
 その他、アラン・ロブ=グリエ『反復』、クロード・シモン『フランドルへの道』『歴史』、W・G・ゼーバルトアウステルリッツ』『土星の環――イギリス行脚』、ローデンバック『死都ブリュージュ』、アンドレ・ブルトン『ナジャ』等にも言及しています。