図書新聞」2019年7月13日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第五三回 「市民的な良識」の包摂を切り崩す個我としてのハードコア・パンク」が掲載
本日より発売の「図書新聞」2019年7月13日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第五三回 「市民的な良識」の包摂を切り崩す個我としてのハードコア・パンク」が掲載されています。
今回は、登戸での無差別殺傷事件、またそれに対して世論は「死ぬなら一人で死ね」、「引きこもりは犯罪者予備軍」と喧伝したこと、および「現代思想」が差別文書のニック・ランド『暗黒啓蒙』を翻訳・掲載したことを批判しつつ、以下の作品を取り上げています。
・ぼそっと池井多「私は犯罪者予備軍である。あなたは? ~川崎事件が改めて突きつけたもの~」(「ひきポス」)
・古川真人「タイマイ異聞」(「新潮」)
・リチャード・コールダー「控えの間、あるいは、世界小史」(増田まもる訳、「三田文學」)
・「DEBACLE PATH」および「小特集:日本のポリティカル/アナキスト・ハードコア・パンクを回顧する」
・モブ・ノリオ「絶対兵役拒否宣言」(「DEBACLE PATH」)
・ハイミート・フォン・ドーデラー(垂野創一郎訳)「ヨハン・ペーター・ヘーベル(1760-1826)の主題による七つの変奏」(「たべるのがおそい」)
・松浦寿輝×沼野充義×田中純「二〇世紀の思想・文学・芸術 第一回 「世紀の開幕」」(「群像」)
・高橋睦郎「墓をめぐって 駱英に」(「三田文學」)
・高原到「二つのフィリピン戦――大岡昇平、奥泉光「死者の顔」」(「群像」)
・笙野頼子「会いに行って――静流藤娘紀行」の第二回(「群像」)
また、リチャード・コールダーのガイノイド三部作、アラン・ロブ=グリエ『快楽の館』、アルフレート・デーブリーン『ベルリン・アレクサンダー広場』、亀井秀雄『個我の集合性』、藤枝静男の「志賀直哉・天皇・中野重治」および文芸時評などにも言及しています。