発売中の2022年2月26日付けの「図書新聞」で、連載「〈世界内戦〉下の文芸時評第八四回 複言語・複文化主義的な探究、ノイズを含むネットワークとしての文学」が掲載されました。連載7年目の最終回は、石原慎太郎の死去を受けて、その差別発言を「石原節」と美談化したメディアの姿勢、「都民葬」などという馬鹿げた動きを批判しつつ、以下の作品に言及しています。
・「言葉の作用 責任を痛感」(東京新聞」二月一三日号)
・内海愛子・高橋哲哉・徐京植編『石原都知事「三国人」発言の何が問題なのか』(影書房)
・桜井厚編「追悼:色川大吉――「不知火海総合学術調査団」の内幕を語る」(「語りの地平」)
・外岡秀俊「「借りた場所、借りた時間」――過ぎ去り行く香港」(「逍遥通信」)
・佐藤正則・三代純平「戦後サハリンを家族と共に生きたある帰国日本人女性の語り――複言語・複文化主義の観点から」(「語りの地平」)
・西成彦『声の文学――出来事から人間の言葉へ』(新曜社)
・久保朝孝編『源氏物語を開く――専門を異にする国文学研究者による論考54編』(武蔵野書院)
・下楠昌哉・須川いずみ・田村章編『百年目の『ユリシーズ』』(松籟社)および下楠昌哉「限りなく極小の数を求めて──「イタケ」挿話における数字に関わる疑似崇高性について」
・フリードリヒ・シュレーゲル『ルツィンデ 他三篇』(武田利勝訳、幻戯書房)
・今泉文子『ノヴァーリス 詩と思索』(勁草書房)
・忍澤勉『終わりなきタルコフスキー』(寿郎社)
・鴇田義晴「90年代サブカルチャーと倫理――村崎百郎論」(すばるクリティーク賞受賞作)
・沼田真佑「日なた」(「群像」)
・小縞山いう「生活」(「文學界」)
・朝吹亮二「行方知れズ(時刻表)」(「現代詩手帖」二〇二二年一月号)
・奥間埜乃『黯らかな静寂、すべて一滴の光』(書肆山田)
・ミシェル・ビュトール『レペルトワールII [1964]』(石橋正孝監訳、幻戯書房)
その他、チェーホフ「サハリン島」、シャマン・ラポガン、H・G・ウェルズ『タイム・マシーン』、津島佑子、ジネット・ヴェルストラーチ『フリードリヒ・シュレーゲルとジェイムズ・ジョイスにおける女性的崇高の断片』、『フィリップ・K・ディックの世界』、アラン・ロブ=グリエ『エデン、その後』等にも言及しています。
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