「図書新聞」2022年3月17日号に「〈世界内戦〉下の文芸時評」の「第八五回 プロパガンダの包囲網から逃れ、「以後」の世界へ跳躍する道筋」が掲載

 発売されたばかりの「図書新聞」2022年3月17日号に、いよいよ連載8年目(!)に突入した「〈世界内戦〉下の文芸時評」の「第八五回 プロパガンダの包囲網から逃れ、「以後」の世界へ跳躍する道筋」が掲載されています。
 今回は、ロシア政府と軍によるウクライナ侵攻を批判し、その20世紀性と21世紀性をそれぞれ論じています。
 そのうえで、NATOプロパガンダにも与しない道筋を探るべきと提唱し、以下の作品を取り上げています。

イリヤカミンスキーオデッサで踊る」(佐峰存訳、「現代詩手帖」二〇二二年二月号)
・マイケル・パーマー「ミッドナイツ」(山内功一郎訳編、同「現代詩手帖」)
・イサーク・バーベリ『騎兵隊』(中村唯史訳、松籟社)および『オデッサ物語』(中村唯史訳、群像社
・ピーター・ポメランツェフ『「われわれ」と「彼ら」の情報戦争』(築地誠子・竹田円訳、原書房
・「思想」二〇二二年二月号の「ポピュリズム時代の歴史学」特集
・林志弦「ネオ・ポピュリズムの時代に大衆独裁を呼び起こす――ファシズムポピュリズム、デモクラシーの収斂について」(長谷川貴彦訳、「思想」)
・ニーラードリ・バッターチャーリヤ「「ポスト・ナショナル」とはいつだったか?――ポピュリズム時代におけるインドの歴史叙述」(粟屋利江訳、「思想」)
・イヴ・ローゼンハフト「多方向的記憶を超えて――抗争するディアスポラホロコーストの記憶、崩れゆく戦後体制」(井野瀬久美惠訳、「思想」)
原基晶「ダンテとスパゲッティ――「国家的」思考の外へ出るために」(「文學界」)および『ダンテ論――『神曲』と「個人」』(青土社
・絓秀実「花田清輝の「党」」(「群像」)
・高桑和巳『哲学で抵抗する』(集英社新書
・ステファン・ベルガー「右翼ポピュリズムと格闘する――どんな種類の民主主義のためのいかなる歴史記憶か?」(橋本伸也訳、「思想」)
遠藤周作「善人たち」(「新潮」)
・松尾晴「母を迎える」(織田作之助青春賞受賞作、「三田文學」)
・林美脉子「兆しはあった」(「現代詩手帖」二〇二二年二月号)

 また、ソルジェニーツィンナボコフ、カント『判断力批判』、林美脉子『レゴリス/北緯四十三度』等にも触れています。
 図書新聞は書店に並んでいますが、コンビニのマルチコピー機からも買えます!