ちくま文庫『暴走する正義 巨匠たちの想像力[管理社会]』に山野浩一「革命狂詩曲」が収録

 中野晴行さんが企画編集をつとめた『あしたは戦争 巨匠たちの想像力[戦時体制]』に続くアンソロジー、『暴走する正義 巨匠たちの想像力[管理社会]』が刊行されました(日本SF作家クラブ企画協力)。戦前生れの作家に限定したSFアンソロジーの第2巻ですね。そちらには私から山野浩一さんの連作短編集『レヴォリューション』(1984)を推薦させていただき、うち「革命狂詩曲」が収録作に選ばれました。山野浩一さんがブログで本件についてコメントなさっています。

筑摩文庫から刊行された「巨匠たちの想像力」というシリーズに「レヴォリューション」から「戦場からの電話」と「革命狂詩曲」が収録されている。「レヴォリューション」を書いた時代は社会主義革命への意識が強く、そのため、間違って読んだ人も少なくなかったようだが、むろん社会主義などひとかけらも出てこない。本来は社会主義崩壊後に意味を持ってくるはずだったのだが、社会主義の崩壊とともに革命への関心も薄れて、私の作品としてはほとんど忘れられていた。今回がこれらの作品の最初の再録となっている。
おそらく社会主義崩壊後の読書家でこれを読んだ人はほとんどいないだろうと思う。そんな中で岡和田晃さんは「レヴォリューション」を読んだ稀な評論家で、昨年の「新潮」5月号でISに関連付けて紹介し、本書の刊行の際にも強く推薦してくださった。その結果日の目をみることになったというわけで、本当にきわめてわずかなチャンスで収録されたものだ。



 二冊揃えて、パチリ!