「R-CON」に参戦してきました


 4月29日、東京・神田のアナログゲーム専門店Role&Roll Stationにて「R-CON」というRPG関係のイベントが開催されました。 そこに、なんとゲスト(!)としてお招きいただき、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のダンジョンマスターをしてきました。


 他のゲストは、北沢慶さん、藤澤さなえさん、刈谷圭司さんらによる『ソード・ワールド2.0』、河嶋陶一朗さんの『迷宮キングダム2nd』、朱鷺田祐介さんの『深淵 第二版』という豪華極まりない面子。
 そして、僕の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(『D&D』)がなぜか末席にお目汚し。えっ、本当にいいのかしらん…。


 どんなお客さんが来るかまったく予想がつかなかったのだけれども、現行版の『D&D』が完全に初めてという方は1名。あと4名は経験者。うちお2人は、エベロン世界がお好きで、日本語版資料を全部集め、読み込んでいるという猛者でした。


 シナリオは、『Role&Roll Extra Lead&Read Vol.1』に掲載された長編リプレイ「Secret Struggles in Sharn」の前日譚(というか裏話)。今回のコンベンションのために創った、書き下ろしシナリオです。
 もちろん、独立した、単体でも理解できるお話にしておきました。


 ストーリーは、リプレイに登場する「セルグの方」がなぜ幽閉されることになったのか。
 彼女とハンベック教授とは、冒険者と絡むことで、何を突き止めたのか。
 そして、リランダー氏族とロード・オヴ・ブレード、そして「夢の領域」ダル・クォールはどう関わるのか。
 などなど、「Secret Struggles in Sharn」のメイン・ストーリーに別角度から迫る内容でございました。


 エベロン世界の代表的な街「塔の街」シャーンの上層から、最下層のコグス、そしてアンダーシャーンまでをうろうろしながら、何度も墜落死の危険に曝されたり、シルヴァー・フレイム教会のパラディンを正面から惨殺してモルグレイヴ大学の自治を守ったり、伝説のウォーフォージド・タイタンの起動を阻止したりと、かなりはじけたセッションになりました。


 楽しかったです。
 拙いマスタリングにお付き合いいただいたプレイヤーの皆さま、ありがとうございました!


 セッション終了後は、各卓の講評に引き続き、トークショーが行なわれました。


 北沢さんは、『ソード・ワールド2.0』がとっても売れ行き好調だということや、今後の展開について語られました。


 朱鷺田さんも、いま展開されているシステムについて、今後どうされるかについて、語られたようです。個人的には、国書刊行会の『ク・リトル・リトル神話体系』の新装版に解説を書かれたというのが嬉しいところ。
 このシリーズ、僕は高校のとき図書館でずっと読んでました。2巻の末尾に収録されていた「ネクロノミコン」に書かれていたヨグ=ソトース召喚の呪文とか、当時は暗唱できたよ、ははは。


 河嶋さんは、GenConの話とか、新作の刊行予定(楽しみ!)とかを話される。
 やっぱ、GenConはロマンですねー。


 そして僕も、今後の仕事の予定について話しました。
 ちょっと、ブログに書いてよいのかまではわからないので、詳細は記しませんが、きちんと形にできるようにしたいと思います。
 いっぱい仕事します、がんばります!


 打ち上げは秋葉原のイギリス料理店でした。

 色々な話題が出たけれども、特に興味深かったのは、河嶋さんが挙げられた、影響を受けた国産RPGの(オールタイム・ベスト)3選でした。


 河嶋さんは、以下の3作品がベストとのお話です。
 理由を簡単に付記すると、


1、『ウィザードリィRPG(箱)』
 買って、箱を開けるとすぐ、『狂王の試練場』ができる(シティーアドベンチャーも、ワイルダネスもシナリオとして入っている)、オールインワンな仕上がり。
 しかも、遊び込める。

2、『WARPS』
 ウォーゲーム的だったRPGに、本格的に「ロールプレイ」という概念を導入した。

3、『蓬莱学園の冒険!』
 世界観が完璧。



 というお話。デザイナーならではの着眼点が、勉強になります。


 僕はデザイナーではないものの、デザイナー視点は大事だと思うので、ブレインストーミングがてら、国産縛りのオールタイムベストについて考えてみましたが……。思い入れが先に立ってしまいました。
 以下のような感じになりますね。


1、『ハイパーT&T』
 死ぬほど遊んだ。
 テーブルトークRPGには、コンピュータゲームにまま見られる窮屈さがなく、なんでも素材をぶち込んでいい、ということを教わった。自由度ゆえの楽しさと可能性とを感じた。

2、『墜落世界
 いやもう、何から何まで大好き。
 強いて言えば、コンセプトワークの重要性について考えさせられた。

3、『深淵 第二版』
 マスターとプレイヤーの共同作業としてRPGを考えた場合、もっとも可能性を感じるシステム。
 そのうえ、版上げによって、システムが格段にブラッシュアップされ、初版にあった欠点が、軒並み解消されている印象があるのも素晴らしい。


 総じて、非常に刺激的なコンベンションでした。また参加できるといいな!