DAC2009で『失われし王冠を求めて』を遊んできました。


 去る11月21日と22日に、日本最大級の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の祭典である、DAC2009http://dac2008.sakura.ne.jp/にてダンジョンマスター参加してきました。
 来場者300人以上。やはりすごいなあ。唯一のエベロン卓なので重責を感じ、なるべく初心者の方にも楽しんでいただける、感じのよいマスタリングを目指しました。


 今回は、非公式ながらも版元の許可を得まして、12月に発売が予定されているシナリオ集『失われし王冠を求めて』をまる2日間かけてDMして参りました。現時点での『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の最新ワールド・エベロンが、いったい本国アメリカではどうなっているのかをぜひ知ってほしいと思ったからですね。

 私は『影のピラミッド』の邪悪な遭遇に小躍りして喜んだ身なのですが、さりとて『失われし王冠を求めて』のようなワールドやストーリーの魅力をも重視した公式シナリオも大好きです。
 訳しながら各々の遭遇にも、単調にならないように毎回異なるシチュエーションを用意したというデザイナー側の気配りを感じました。また、付属のポスター・マップを活用した技能チャレンジは第4版ならではの新しい試みだと思いました(ネタバレを避けるため、曖昧な言い回しですみません……)。


 DACのサイトへ寄せたセッション予告はこんな感じになります。

 第4版でも日本語版展開が行なわれる予定の「エベロン」世界を舞台にした冒険になります。
 「エベロン」とは、魔法がさながら科学技術のように発展し、大陸横断鉄道“ライトニング・レイル”や飛空艇が飛び回る新しい感覚の近代的な世界です。エベロンらしさとD&Dらしさ、両方を体感してもらえるような冒険を準備してお待ちしています!
 今回は、12月26日に発売が予定されているエベロン世界を舞台にしたオフィシャル・シナリオ集『失われし王冠を求めて』(原題 : Seekers of Ashen Crown)を、版元ホビージャパンの許可をいただいて内容を咀嚼し、各回、単発セッション向けに独自のアレンジを施して使用します(私は僭越ながら、同シナリオの翻訳協力をさせていただきました)。
この機会にぜひ『失われし王冠を求めて』のエッセンスを体感していただければと思います。
 ただ、版元の許可をいただいてはいるものの、企業ベースのオフィシャルな企画ではありません。第4版は日本語版展開が始まったばかりなので、私が把握できていないところや、拙いところが色々あることと思います。そのあたり、あらかじめご了承下さい。「マスターと一緒にRPGを楽しもう!」という感じで、和気藹々としたセッションにしましょう。初心者の方、大歓迎です!
 どうぞ、よろしくお願いいたします!

 それでもって、『失われし王冠を求めて』の裏表紙のあらすじはこんな感じになります。『『エベロン・プレイヤーズ・ガイド』と併せてご覧下さい。

エベロン・プレイヤーズ・ガイド 第4版 (ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版サプリメント)

エベロン・プレイヤーズ・ガイド 第4版 (ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版サプリメント)

宝探しか、それとも大乱戦か


 遠い昔に行方知れずとなった伝説の王冠にしてアーティファクト、アッシュン・クラウン――分割可能なその王冠にはモルグレイヴ大学、キングズ・シタデルらがただならぬ関心を示しているばかりか、より悪辣な諸組織も虎視眈々と狙っている。王冠の一部が“塔の街”シャーンの地下で見つかったことが、残り4つの部分の獲得競争を引き起こした。バラバラになった王冠を完全な状態に戻してその魔力をものにせんと、正邪双方の諸勢力がいまや血眼になり、策謀や裏切りを繰り広げている。
 『失われし王冠を求めて』のアドベンチャーを経験することで、キャラクターたちは2レベルから5レベルへと成長する。このアドベンチャーエベロン世界を背景設定としているが、D&D世界設定のどれにでも容易に移し替えることができる。このパッケージには96ページフルカラーのアドベンチャー・ブックと、『D&Dミニチュア』を使って遊べる両面バトルマップ1枚が入っている。


 『失われし王冠を求めて』は、じっくりとやりこめるように30個の遭遇に「幕間」と呼ばれるストーリーパートが付属しており、かなりのボリュームです。そこから、各回、『失われし王冠を求めて』の醍醐味を味わえるように、コンベンション向けに遭遇をピックアップさせていただきました。
 プレロールド・キャラクターは、鈴木康次郎さんの厚意で、康次郎さんの卓と同じものを使わせていただきました。これは、キャラクターを共有することで「パーティの面々が相互の能力を把握できるようにしたい」との思いと、GAME DAYのように「同じキャラクターを使った」ことに対する共通経験が生じてほしいと願いがあってのことでした。康次郎さん、ご理解いただいた参加者の皆様、ありがとうございました。


 以下、コンベンション用の調整例を兼ねて、簡単なレポートを書いてみますね。「遭遇」とは『失われし王冠を求めて』の遭遇ナンバーになります。日本語版が発売されたら、照らし合わせて見て下さいね。



 21日の「英雄アシュルタの剣を求めて」のプレイヤー勢は以下の通り。

 アナスタシア/エラドリン・ウィザード
 フライデイ/ゴライアス・バーバリアン
 ガンドレッド/ウォーフォージド・パラディン
 ガラール/デーヴァ・アヴェンジャー
 オリン・ド=シヴィス/ノーム・アーティフィサー

 『D&D』第4版初心者の方々が3名いらっしゃいました。
 『失われし王冠を求めて』遭遇1〜8の中から4遭遇をピックアップ(遭遇1、2、5、6)。なお、プレロールド・キャラクターとのバランスを取るため、ルールに従って後半の遭遇は『ダンジョン・マスターズ・ガイド』のルールに従い、クリーチャーレベルを全体的に上昇方向で調整をかけておりました。技能チャレンジはなし。
 1日目は遭遇6での決戦がメインでしたが、「あの人」はなかなか強くパーティのうち3人が死亡セーヴィング・スローを行なうはめになりました。でも殉職者は出ませんでした。閉会式の30分前には予定のミッションを達成したので、エクストラ・ステージとして、遭遇8もプレイさせていただきました。


 続いて、22日の「グレイウォールの長き道」の参加者は以下の通りです。

アナスタシア/エラドリン・ウィザード
フライデイ/ゴライアス・バーバリアン
ヤンデーレ・ド=シヴィス/ノーム・アーティフィサー
レイロン/ウォーフォージド・パラディン
タボ/ハーフリング・ソーサラー

 なお2日目の参加者は、アナスタシアとフライデイは前日からの引き継ぎで、あとは新規メンバーとなりました。
 今回はNPCとのやりとりやワイルダネス・アドベンチャーにスポットを当ててみました。
 2日めのセッションは、遭遇9・14・22、それに技能チャレンジを2回という構成。ここはPCたちの行動によって、シナリオで行なわせる遭遇を可変的にするつもりでした。クリーチャーレベルだけはルールに従い、プレロールド・キャラクターに見合った調整をかけています。
 時間が許したのであれば、グレイウォールの市場での技能チャレンジと、遭遇27もやりたかったんですけどね。
 2日目は遭遇22が山場だったのですが、全体的にいやらしい動きはするものの、敵は打たれ弱かったという印象です。
 また、「Role&Roll」のGAME DAY記事でも取材させていただいた凄腕ゲーマー「さぼりっこ」さんが当卓へ来て下さって、エベロン・ワールドの解説をサポートをいただいたのでとても助かりました。


 簡単ですがレポートとしてはこんな感じです。皆さん、お疲れさまでした。当日余裕があまりなかったので、お話できなかった方も多く、申し訳ありませんでした。
 参加者の皆さんと楽しい場を共有でき、とても嬉しいです。また、このような素晴らしい場をボランティアで支えて下さったスタッフの皆さんどうもありがとうございました!