『ハプスブルク帝国の情報メディア革命―近代郵便制度の誕生』を楽しむ。『傭兵の二千年史』の菊池良生の2008年の新刊だ。
どこから掘り出してきたのかわからない謎の資料で、郵便と交通という立場で古代ローマ時代から近代まで、郵便と道路の系譜学を延々と語る。とりわけ、菊池の専門であるドイツ三十年戦争期は圧巻。
垣間見える未訳の資料が秀逸で、そのアウトラインを聞くだけでも読む価値はある。
ハプスブルク帝国の情報メディア革命―近代郵便制度の誕生 (集英社新書)
- 作者: 菊池良生
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/01/17
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
いや、面白すぎでしょこれ。
かつて、ローマの道路について少し調べたことがあるが、あまりのテーマの遠大さにしり込みしたことをよく憶えている。道路ひとつとっても、めちゃくちゃ奥が深いのだ。インターネットの源流という売り文句も、あながち馬鹿にできないぜ。
それゆえに、菊池の切り口はガイドラインとして非常に役に立つ。今までありそうでなかった観点だ。
宣伝というわけではないけれども、この本を読みながら、『ウォーハンマー・コンパニオン』の第3章、交易路と交易のルールの部分をつい思い返してしまった。『コンパニオン』の交易ルールは、ボードゲーム的に使ってしまう場合が多いと思うが、工夫次第でいくらでも味付けはできるのだろう。
『ウォーハンマーRPG』の「伝書」、それに「街道巡視員」は本当に辛い仕事だと思いました(笑)