いよいよ「Role&Roll Extra Lead&Read Vol.4」がAmazonで予約開始中となりました。表紙は内山靖二郎さんの『クトゥルフ神話TRPG』リプレイ(楽しみ!)の登場人物たちですね。
Role&Roll EXTRA Lead&Read Vol.4
- 作者: 内山靖二郎,安田均,岡和田晃
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2009/01/30
- メディア: 大型本
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「AGAINST GENOCIDE」
を書かせていただきました。原稿用紙換算で200枚くらいのもの。
ガンアクションTRPG ガンドッグゼロ (Role&Roll RPGシリーズ)
- 作者: 狩岡源,アークライト
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2008/07/30
- メディア: 大型本
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『ガンドッグゼロ』は、遊びやすいガンアクションRPGです。プレイヤーは民間保安会社の社員としてさまざまなミッションをこなしていきます。
フィクションで言えば『ブラックホークダウン』、『ルチアノの幸運』、『メタルギア・ソリッド』、『ゴルゴ13』、『ブラックラグーン』などでみられるシチュエーションを扱いやすくまとまったルールで、しかしながらリアルに再現できます。
今回は『ガンドッグゼロ』の商業誌初のリプレイということで、かなり気合いが入った内容になっています。
現代戦の醍醐味を読みやすく伝えるということを意識して書いています。ただし、戦闘場面だけではなくシナリオ面の面白さも追求しました。なので「ただゲリラをぬっころして終わり」みたいな単純な話にはしてません(もちろん、『ガンドッグゼロ』は戦闘だけでもすごく面白いのですけれどもね)。
また設定には特にこだわり、ロシア南西部ヴォルゴグラードを舞台としました。「ヴォルゴグラード」というと馴染みがないと思われるかもしれませんが、第二次世界大戦における独ソ戦の激戦区、そう、かつて「スターリングラード」と呼ばれた街だといえば「ああ」と思ってもらえる人も多いと思います。
そこで、イカレたプレイヤー・キャラクターたちはロシアを(というかロシアが相手方を?)悩ませている"あの問題"と対峙することになるのですが、出てくるのはどいつもパンクな連中で……。と、この先はネタバレにつきご容赦を。
そういえばこの前、映画『チェチェン アレクサンドラの旅』を観てきました。この戦闘シーンがいちどもない映画に、僕はものすごい「戦争の」リアルさを感じました。映される前線基地の描写がすごくてねぇ。それに、コーカサスに侵攻しているロシア兵はみんな若いんですね。若いんだけれども、くたびれはてている。むろんグロズヌイ(チェチェンの首都)なんて男は山にこもり女は闇市を開いているという。思わず佐藤亜紀の傑作『戦争の法』が顕在化した状態でした。
- 作者: 佐藤亜紀
- 出版社/メーカー: ブッキング
- 発売日: 2003/10
- メディア: 単行本
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総じてこの映画の面白さは、悪しき文芸映画的なチャラさがないところにあったように思えます。現在交戦状態にあったり、テロリズムが珍しいものではなくなっている場所が持つ独特の感覚が伝わってきたのです。うわべではない、戦争の本質を感じました。仮に日本にいたとしても、戦争の不穏さと無縁ではいられなくなっていることは言うまでもないため、余計に私の心にヒットしたのです。
で、そうしたやるせなさのようなものを、今回のリプレイではなるべく盛り込むべく工夫した次第であります。
もちろん、『ガンドッグゼロ』の美味しいネタは押さえてあります。陰謀劇、そして何よりアクションをお楽しみ下さい。ジャック・ヒギンズやジョン・ル=カレをそれとなく意識しました。そうそう、ある意味『ガンドッグゼロ』の華、制圧射撃やスナイパー戦もありますぜ!
現代戦をRPGはどう処理するのか。シナリオなどを考える一助にでもしていただければと思います。『ガンドッグゼロ』に興味のある方はもちろん、RPGリプレイというジャンルにさほどなじみがない方も読み物として手に取っていただけましたら嬉しいです。