「SFマガジン」の2010年5月号に、『虐殺器官』論の全文を掲載いただいています。経緯が経緯なので、拙稿に対していろいろ語るのは気が引けるというか、つらいのですが、読解の補助にしていただければ幸いです。
選考委員の先生方にいただいた講評をふまえたうえで、選評への応答という意味も込めて全体に大幅改稿を加えており、かつ30枚近く書き足しております。
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/03/25
- メディア: 雑誌
- 購入: 4人 クリック: 74回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
「SFファンがなぜ『虐殺器官』を褒めているかわからない」という方も。
http://d.hatena.ne.jp/Thorn/20090324
なお、ブログで紹介いただきましたid:nacky7さん、id:ggincさん、朱鷺田祐介さん(http://suzakugames.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/rpgbr-663e.html)、モモチさん(http://shonisen.blog39.fc2.com/blog-entry-97.html)
そしてGhost Soundで言及して下さっている皆さん、どうもありがとうございます。
◆
それにしても「笙野頼子ばかりどっと読む」休止か(モモチさんのところ参照)。
哀しすぎる。ゆっくり休んで、また戻ってきて下さい。
◆
せっかくなので楽しい話も。
今号は、およそ40年ぶりの、「SFマガジン」でのク・リトル・リトル特集となります。この号の表紙に名前が出るとはなんとも光栄! そしてチャイナ・ミエヴィルに熱狂!
クトゥルフ・ファンはいろいろいて、記号としてのクリーチャ―が好きな人、ラヴクラフトのゴシック小説直系の文体にやられた人など、さまざまな嗜好がありますが、私は筋金入りのラヴクラフト原理主義者(のつもり)で、その雰囲気とジャズ・エイジの狂騒が合わさった部分が好みなのです。中学生の時に図書館で『クトゥルフの呼び声』を遊んでいて、「岡和田君が黒魔術をやっています」と通報されたのも良い思い出。「幻想と怪奇」のラヴクラフト特集とか読んでいました。
だから、サンディ・ピーターセン、リン・ウィリス、キース・ハーバーのこだわりに同調します。
個人的なベストをあげるとしたら、「クトゥルフの呼び声」はもとより、「アウトサイダー」、「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」 、「宇宙からの色」、「セレファイス」、「ナイアルラトホテップ」、 「彼方からの挑戦」、「ピックマンのモデル」、 「闇にささやくもの」、「時間からの影」、「魔女屋敷で見た夢」、 「ファラオとともに幽閉されて」なんかに傾倒しているボンクラでした。
なお、竹岡啓(id:Nephren-Ka)さんの概説に圧倒。ダニエル・ハームズやキース・ハーバー、ひいてはケイオシアム社とか、お馴染みのお歴々がSFMで読めると色々心強い。
面識ないのですが、歳が近いのに尊敬します。
また、同特集には『クトゥルフの呼び声』ファンにはやや残念な記述もありますが、これについては別個に応答を考えています。