「図書新聞」2020年2月15日号に「〈世界内戦〉下の文芸時評 第六〇回 テクスト的な身体を冷笑主義から引き離すこと」が掲載

  発売中の「図書新聞」2020年2月15日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第六〇回 テクスト的な身体を冷笑主義から引き離すこと」が掲載されています。連載5年めの最終回ですよ。今回は麻生太郎の「単一民族」発言を批判し、以下の作品を取り上げています。

・奥間埜乃「ラット奉迎の辞」(「三田文學」)
山城むつみ「連続する問題 第十回 奴隷根性B」(「すばる」)
・「アイヌ新法」をめぐるパブリックコメントのうち、寄せられた六三〇五件のうちの大半がアイヌ民族の存在を否定するなどの差別的な表現で占められ、約九八%が公表の対象外となっていたこと(「北海道新聞」二〇二〇年一月一八日)
・木村二三男のコメント(TBS「報道特集」二〇二〇年二月一日)
・モハンマド・モインウッディン「放射能汚染、反核運動、被曝者――21世紀ヒンディー語小説『マラング・ゴダ ニルカーント フア』をめぐって」(「原爆文学研究」)
・東村岳史「戦後佐世保における核の「軍事利用」と「平和利用」――原子力船「むつ」の受け入れ騒動を中心に」(「原爆文学研究」)
・柳瀬善治「「ムーゼルマン」の傍らにおける「倫理」と「連帯」は「喩」として表象可能か――「現代詩史」の視角から吉本隆明『「反核」異論』を読む――」(「原爆文学研究」)
・林浩平・編集顧問、佐藤美奈子を編集人として再出発した「アナホリッシュ国文学」および兵藤裕己×呉座勇一「歴史と物語の交点――『太平記』の射程」
・高原到「暴力の二つのボタン」(「群像」)
アラン・ロブ=グリエ『ある感傷的な小説』(的場寿光訳、水声社
磯崎憲一郎『金太郎飴』(河出書房新社
・古川真人『背高泡立草』(集英社
・酉島伝法「猫の舌と宇宙耳」(「小説すばる」二〇二〇年一月号)
・片岡大右「「惑星的ミサ」のあとで――『ゲーム・オブ・スローンズ』覚え書き」(「文學界」)
・橘孝司「ギリシャ・ミステリ展望――「動機」と「カタルシス」の点から――」(「プロピレア」)
・孔田多紀「蘇部健一は何を隠しているのか?」(メフィスト評論賞円堂賞)

 その他、レニ・リーフェンシュタール吉本隆明『「反核」異論』、蓮實重彦『「ボヴァリー夫人」論』、ジョージ・オーウェル『一九八四年』、武田泰淳『第一のボタン』等についても触れています。
 なお、「図書新聞」はコンビニのマルチコピー機でも買えます

  それと一箇所訂正。失礼しました。

 ×二〇一八年夏

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 ○二〇一九年夏