「図書新聞」2021年5月22日号で、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第七五回 国家の枠外に追いやられ、弾圧された者らを可視化する文学を!」が掲載

 本日発売中の「図書新聞」2021年5月22日号で、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第七五回 国家の枠外に追いやられ、弾圧された者らを可視化する文学を!」が掲載されています。入管法改悪が、父権的温情主義(パターナリズム)の裏返しとしての冷酷な弾圧であると批判し、またトリチウムを含む福島第一原発の汚染水海洋放出を問題視しつつ、以下の作品を取り上げています。

中野京子星野智幸、温又柔らによる、入管法改悪に対する抗議の記者会見
・織田朝日『ある日の入管――外国人収容施設は“生き地獄”』(扶桑社)
・西尾正道『被曝インフォデミック トリチウム内部被曝――ICRPによるエセ科学の拡散』(寿郎社
・若松丈太郎『夷俘の叛逆』(コールサック社)
・柿木伸之『断絶からの歴史――ベンヤミンの歴史哲学』(月曜社
・倉数茂「父の箱」(「群像」)
山尾三省『新装版 アニミズムという希望――講演録 琉球大学の五日間』(野草社)
樫村晴香「二度目の永劫回帰」(「群像」)
・中野睦夫「祭日」(「早稲田文学」二〇二一年春号)
・金子薫「道化むさぼる揚羽の夢の」(「新潮」)
・「早稲田文学」二〇二一年春号の特集「オノマトペにもぐる/オノマトペがひらく」
・横山昌子「琉球諸語オノマトペの世界」(「早稲田文学」)
・丹菊逸治「アイヌ語オノマトペ――擬音語の仕組み」(「早稲田文学」)
・天草季紅「押韻と反復――バチラー八重子の短歌」(「さて、」第九号)
・「授業づくりネットワークNo.37 多様性を受けとめる教室――インクルーシブ教育を問い直す」(学事出版)
・佐内信之「「生活綴り方」における個と集団~無着成恭の『山びこ学校』に学ぶ~」(「授業づくりネットワーク」)
・平山裕人「教室の中の多様性~アイヌ学習の現状~」(「授業づくりネットワーク」)
藤井省三「"淪陥期"上海で暗殺された台湾人作家――劉吶鷗」(「三田文學」)
・廖偉棠「弔客と凶年」(佐髙春音訳、「三田文學」)
・青野暦「穀雨のころ」(文學界新人賞受賞作)
・滝口葵巳「愛しのクリーレ」(三田文學新人賞受賞作)
・九段理江「悪い音楽」(文學界新人賞受賞作)
・岡田智樹「エレファント・シュノーケリング」(三田文學新人賞佳作)
井上荒野「錠剤F」(「すばる」)
大鶴義丹「女優((一)」(「すばる」)
・ルイザ・メイ・オルコット『仮面の陰に――あるいは女の力』(大串尚代訳、幻戯書房
田中さとみ「キラー・カール・クラップ」(「法政文芸」)
・奥間埜乃「わたしの隔絶は」(「ゲタトランケーション」)
森川義信「樹樹」(「ゲタトランケーション」)
・江田浩司『律――その径に』(思潮社
・吉田裕『持たざる者たちの文学史――帝国と群衆の近代』(月曜社
ポール・ギルロイ「二度と決して――人種を拒絶し人間を救済すること」(小笠原博毅訳、「思想」二〇二一年四月号)

 その他、ソルジェニーツィン収容所群島』、小林多喜二、今野大力、初期ハイデガーパウル・クレーハンナ・アーレントクロソウスキーニーチェと悪循環』、アルトーフェリーニコンラッド『ロード・ジム』『ノストローモ』、W・E・B・デュボイス等に言及しています。