「図書新聞」2021年12月18日号、読書アンケートに回答しました。岡和田は以下を取り上げています。
・フリードリヒ・シラー『シラー戯曲傑作選 ヴィルヘルム・テル』(本田博之訳、幻戯書房)
・西田勝『田岡嶺雲論集成』(法政大学出版局)
・アイヴァー・A・リチャーズ『レトリックの哲学』(村山淳彦訳・解説、未來社)
・テッド・ジョイア『ジャズ・スタンダード 聴いて弾いて愉しむ252曲』(鈴木潤訳、みすず書房)
詳しい評言は新聞の現物を参照ください。
「ナイトランド・クォータリーvol.27 蟄居/幽閉/籠城 〜潜み棲む恐怖」が、2021/12/8頃に発売となります!
幻視者のためのホラー&ダーク・ファンタジー専門誌《ナイトランド・クォータリー》。
vol.27の特集は「蟄居/幽閉/籠城」。
コロナ禍において、ステイホームが叫ばれた昨今だが、
閉じこもる/閉じ込められる「蟄居/幽閉/籠城」の状況は、
さまざまな物語を紡いできた。
そこに潜み棲む恐怖を照射してみよう。
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小説は、マイクル・ムアコック、C・J・チェリイ、デボラ・ビアンコッティ、ポール・S・パワーズ、ヨハネス・ウルツィデル、カーロン・ウォーレン、片理誠、高原英理。
また、山田和子インタビュー、あだちひろしインタビューをはじめ、
エッセイ、ブックガイドなど満載です!
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■主な内容
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【Story】
■マイクル・ムアコック「最期の呪縛〜もしくは混沌との戯れ〜」/訳:健部伸明
■C・J・チェリイ「最後の塔」/訳:岡和田晃
■デボラ・ビアンコッティ「完璧な嘘」/訳:棚藤ナタリー
■ポール・S・パワーズ「四次元の世界」/訳:神戸政郎
■ヨハネス・ウルツィデル「九悪魔荘」/訳:垂野創一郎
■カーロン・ウォーレン「生きてるだけで丸損さ」/訳:待兼音二郎
■片理誠「空中楼閣を“ふんわり”と引きずり下ろす」
■高原英理「〈精霊語彙集〉かけらの生」
【Interview】
■山田和子インタビュー「ニューウェーヴ運動からholisticな翻訳へ」/聞き手・構成=岡和田晃
■あだちひろしストーリーインタビュー「〈メタモスの魔城〉と〈ネクロスの要塞〉の秘密」/聞き手・構成=岡和田晃/協力:保坂和尚
【Poetry】
■みずからを凍結させて仄暗く──エミリー・ディキンスンに/詩=岡和田晃
【Movie】
■日本の洋館に妖精が居着いても良いよね ――『自宅警備員と家事妖精』/深泰勉
【Essay】
■自らを監禁状態に置き生み出した芸術の記録――小川貴一郎/沙月樹京
■泉鏡花「天守物語」をめぐって/黒田誠
■囚われた妖怪の悲哀――九鬼匡規/沙月樹京
■呪いの館から出たくない物語/深泰勉
■「蟄居文学」というグランド・ツアー/岡和田晃
■素潜り「集中都市」/大和田始
■われら異形の軍団は、地下迷宮を喜び勇んで進む(……その他の閉鎖空間も)/丸屋九兵衛
■人類が正しくステイ・ホームするために 〜メタバースとバーチャルオフィスの持つ可能性/徳岡正肇
■孤島というユートピア──シェイクスピア『テンペスト』を読む──/大岡淳
■塔の中の姫君を守るために あるいはウォーゲームの父が愛した、「守る」エンターテイメント/徳岡正肇
■閉じこもる音楽、閉じこめられた音楽 〜独奏のサウンドスケープ、または楽器のある室内/白沢達生
■スケッチブックに描かれた魂の一時避難所──『マリアンヌの夢』と『ペーパーハウス/霊少女』/松本寛大
■古城の地下牢/浅尾典彦(夢人塔)
■殯の衣装、喪服と経帷子の習俗に触れる/深泰勉
【Serial】
■〈覚えておいて欲しいこと〉第五回 夏目漱石の蟄居 ──イギリス滞在の日々──/井村君江
■〈アンソロジーに花束を〉第九回 ユニコーン・ヘッドのもとに/安田均
【Game】
■反・脱出ゲームとしての『ダンジョンキーパー』 〜積極的かつ創造的な蟄居生活をエンジョイしよう/徳岡正肇
【Book guide】/岡和田晃
■クトゥルー神話に宿る原初の力を魔術的に再構築する──アラン・ムーア&ジェイセン・バロウズ『ネオノミコン』
■練り込まれたモチーフの美しいホラーを ──シンシア・アスキス『願わくは彼女の眠り続けんことを』
■ノスタル爺の永劫回帰
■表紙/小川貴一郎
発売されたばかりの「図書新聞」2021年11月27日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第八一回 「全体史」と「自分史」の狭間に宿る民衆史の息吹を発見するために」が掲載されています。
今回は野党共闘を評価しつつ、足を引っ張る連合幹部や維新の「躍進」に向き合えていない日本型「リベラル」の足腰の弱さを批判し、以下の作品を取り上げています。
・木村嘉代子『朝鮮人「徴用工」問題を解きほぐす――室蘭――日本製鉄輪西製鉄所における外国人労働者「移入」の失敗』(寿郎社)
・駒込武編『「私物化」される国公立大学』(岩波ブックレット)
・大門正克「追悼 色川大吉――「民衆史」とそのゆくえ」(「群像」)
・新井かおり「百五十年、胸中に去来するもの」(石原真衣編著『アイヌからみた北海道一五〇年』、北海道大学出版会)
・鄭鴻生「帝国の非物質的遺留――台湾と香港の被占領経験の相違について」(丸川哲史訳、「思想」)
・永井みみ「ミシンと金魚」(すばる新人賞受賞作)
・水原涼「息もできない」(「すばる」)
・澤大知 「眼球達磨式」(文藝賞受賞作)
・藤原無雨「その午後、巨匠たちは、」(「文藝」)
・久酢博季「彫刻の感想」(新潮新人賞受賞作)
・茅辺かのう『アイヌの世界に生きる』(ちくま文庫)
・天草季紅「“いま”を生きる――照井君子「天上の風(カントレラ)」に寄せて」(「無人島」23号)
・田中益三「詩のなかの民衆と詩人その人――一九三五、六年の小熊秀雄を横断する」(「詩と思想」二〇二一年七月号)
・小笠原亜衣『アヴァンギャルド・ヘミングウェイ パリ前衛の刻印』(小鳥遊書房)
・朝比奈緑・下村伸子・武田雅子訳著『ミラー版エミリ・ディキンスン詩集』(小鳥遊書房)
・ワシーリー・エロシェンコ『エロシェンコのシベリアものがたり』(高杉一郎訳、日本エスペラント図書)および峰芳隆によるエロシェンコ小伝
・シュテファン・ツヴァイク『過去への旅 チェス奇譚』(杉山有紀子訳、幻戯書房)
・ジョゼフ・ヒース「なぜ〈カルチャー〉が勝利するのか――イアン・M・バンクス論」(青野浩訳、「SFマガジン」)
その他、クロード・シモン、キム・ニューマン、ダーヒンニェニ・ゲンダーヌ、川越宗一『熱源』にも言及しています。書店で買え、電子版もあるほか、コンビニでも有償ダウンロードできます。
2021年度の潮流詩派年間最優秀評論賞を頂戴しました。
1955年創刊の詩誌「潮流詩派」が主宰する賞です。11月20日に贈呈式があるので、参加してきます。
該当作品は、「風に溶け込み、「惑星思考(プラネタリティ)」へ向かうこと――清水博司論」および「簒奪された「社会派」への信頼、歴史感覚を取り戻すために――村田正夫論」の2作です。前者は土曜美術社出版販売の『新・日本現代詩文庫 清水博司詩集』にも採録され、後者は「潮流詩派」最新267号掲載。
この賞自体は6回目で、受賞者が出ない年もあるので4人目、との由。評論は顕彰とは無縁で書いていく覚悟が要り、実際に賞は激減しているので、勇気づけられた思いです。
Facebook,Twitterで、本当にたくさんの方に祝福をいただきました。改めて御礼申し上げます。
文学賞の件、多くの方から祝福をいただきまして恐縮しております。
— 岡和田晃_新刊『再着装(リスリーヴ)の記憶』が出ました (@orionaveugle) November 13, 2021
公開の許諾が出ましたので書きますと、2021年度の潮流詩派年間最優秀評論賞を頂戴しました。
1955年創刊の詩誌「潮流詩派」が主宰する賞です。11月20日に贈呈式があるので、参加してきます。 pic.twitter.com/AOYO1pYFcZ
武蔵大学「イギリスの文学」(北村紗衣先生)内で特別講義「幻想文学論概説」をいたしました。幻想文学研究においてつまずき易いポイント、基礎的な文学史と関連資料を確認していく内容です。「往還」がキー。ローズマリー・ジャクスンをめぐる北村先生の応答が興味深く。
本日の「イギリスの文学」の授業は岡和田晃さん @orionaveugle にゲストとしてお越し頂き、オンラインで英語圏のファンタジーの歴史とゲームなどのかかわり、基本的な参考文献まで、とても濃いお話をして頂きました!ライブで来られなかった登録学生の皆さんは後で限定で動画を見られるようにします。
— saebou (@Cristoforou) November 12, 2021
『ウォーハンマーRPG』の電子版(PDF)限定サプリメント『比類なく有益なスラサーラの呪文集』(ホビージャパン)が、コノスで発売になりました。なんと500円です。私は翻訳監修で参加しております。八色の魔法体系の各呪文(実にユニーク)が追加されます。カードもあり!
翻訳に参加しました『ウォーハンマーRPG スターターセット』(ホビージャパン)、コノスより電子版も発売! スターターセットの贅沢仕様を可能な限り再現、なんと箱に記載されたデータまでPDF形式でダウンロード可能です。ダイスは付属しておりません。」とのこと。
翻訳協力でクレジットされております『ウォーハンマーRPG ゲームマスター・スクリーン』(ホビージャパン)も、コノスで電子版が入手できるようになりました。チャート集として使えるので便利ですし、GMガイドは味読の価値があります。
2021年11月4日の「FT新聞」No.3207に、「『ウォーハンマーRPG』を愉しもう!」のVol.16が配信されています。『比類なく有益なスラサーラの呪文集』の発売、ゲームマスター・スクリーンの起源、読者からお気に入りのスクリーンとその理由の紹介など。大ボリュームです。