『ミドンヘイムの灰燼』本日発売です!

 さて、いよいよです。


 いよいよ、本日7/31、『ミドンヘイムの灰燼』が発売になります。

ミドンヘイムの灰燼 (ウォーハンマーRPG シナリオ)

ミドンヘイムの灰燼 (ウォーハンマーRPG シナリオ)

 『ミドンヘイムの灰燼』とは、城塞都市ミドンヘイムを舞台にした『ウォーハンマーRPG』のキャンペーンシナリオ集であり、そして何より、ミドンヘイムの街に関する詳細極まりない設定資料集でもある作品です。
 まずは、何はともあれ、裏表紙にある紹介文をご覧下さい(以下、引用です)。

 新しい叙事詩が始まる!


 "終焉"の主アーケィオンの猛攻、そして混沌の軍勢による大虐殺にて生じた灰燼は既に冷え、傷は少しずつ癒えてきている――だが、ミドンヘイムはいまだ堅固に持ち堪えている! ウルリック山の峨々たる頂きに位置する"白狼の都"ミドンヘイムは、エンパイアの護りの要として、混沌の大軍団の侵略を押し返してきたのだ。


 しかしミドンヘイム内において、あらゆる物事が、順風満帆に進んでいるわけではない。"白狼の都"の中心部は腐敗せし者どもに喰らい尽くされつつあるのだ。奴らを一掃できるかどうかはひとえに、君たち英雄の手に委ねられている。すべては、プレイヤー・キャラクターが託された、シグマー神殿へ古(いにしえ)の聖画像を届けるというごくささやか任務に端を発する。だが、すぐさま彼らは、異端、殺人、裏切り、そして最も穢らわしい腐臭を放つ堕落の渦中へ放り込まれることだろう。「混沌の嵐」に関した一連の事件の後に始まる冒険『ミドンヘイムの灰燼』においては、"禍つ神々(ルイナス・パワーズ)"の勢力がいまだ根強く残存しているという事実を、否応なしに思い知らされることとなる。


 『ミドンヘイムの灰燼』は、『ウォーハンマーRPG』の3部よりなる新しい叙事詩的な冒険シナリオ「呪われし道」キャンペーンの第1部である。冒険それ自体に加え、この本には、ミドンヘイム市の詳細な解説が含まれている。精緻極まりない地図、近隣住民の描写、重要なNPC、とりわけ大事な場所の位置などが記されているのだ。


 "白狼の都"を蝕む凄絶なる陰謀とは何か? そして、不測の事態へ巻き込まれてしまった英雄たちは、いかにしてそれを食い止めるのか? さあ『呪われし道:ミドンヘイムの灰燼』を紐解き、答えを追い求めるがよい。


 冒険が待っている!


 本書の舞台となるミドンヘイムは、いままでRPGの街として提供されることが驚くほど少なかった、城塞都市。
 混沌による包囲戦の傷もいまだ癒えぬなか、人々は苦しみにあえぎ、内なる敵は侵入の隙を、虎視眈々と狙っています。
 そうした最中、英雄たちは自らの知恵を頼みに、由緒正しき古都でありながら、“終焉”の主アーケィオンの率いる混沌の大軍団を退けた、エンパイア有数の軍事力を誇る都市を駆け回ってゆくのです。


 『ウォーハンマーRPG』は、いま日本語で読めるRPGのなかでもトップクラスに、中世からルネッサンス期にかけてのヨーロッパの社会・文化に対する深い洞察や、浩瀚な調査の成果を感じさせるRPGだと断言できます。
 基本となるゲームタームに関しては、『ウォーハンマーRPG 基本ルールブック』を読んでいただかないと辛いという弱みこそあるものの、中世ヨーロッパに少しでも興味のある方は、『ミドンヘイムの灰燼』を押さえておいて損はありません。


 最近では、『中世ヨーロッパの城の生活』という書物が人気を博しました。
 この本と同様に、中世ヨーロッパの都市と社会を、〈そこを生きた人間〉により近い目線で見るための資料として、『ミドンヘイムの灰燼』は非常に役に立ちます。

中世ヨーロッパの城の生活 (講談社学術文庫)

中世ヨーロッパの城の生活 (講談社学術文庫)

 もちろん、ファンタジーRPG者にとって、『ミドンヘイムの灰燼』の出版はこのうえない朗報だと言えるでしょう。
 山岳に聳える城塞都市という特異な地政学的状況に置かれた場所が、そのままプレイヤー・キャラクターのホームタウンとして、提供されることになるからです。
 ホームタウン!
 ファンタジーRPGをプレイするにあたり、ホームタウンがあるのとないのとでは、キャラクターの肉付けの度合いが、まるで違ってきます。そして、いままで『ウォーハンマーRPG』に何より欠けていたものが、ホームタウンとなるべき街の、詳細な設定だったのでした。
 それまで、ルールブックや小説などの記述をもとに大まかに想定するしかなかった詳しい街の様子が、このサプリメントには、事細かに記されているのです。
 ぜひ、ミドンヘイムを使い倒してやって下さい。何より、付属のキャンペーンシナリオを遊ぶとともに、収録された情報を活用して、オリジナルのシナリオを創ってあげて下さい!


 そもそも「俺、まだ『ウォーハンマーRPG』にまだあまり慣れていないんだけどなあ……」という人も、ご心配なさらず。大丈夫ですよ。
 『ミドンヘイムの灰燼』は、『基本ルールブック』に収録されているシナリオ「ドラクヴァルドの森を抜けて」に、そのまま接続できるようになっているからです。『基本ルールブック』1冊あれば、すぐに遊べます。

ウォーハンマーRPG 基本ルールブック

ウォーハンマーRPG 基本ルールブック

 初心者向けとして、シナリオは懇切丁寧に書かれていますし、若干、わかりづらいと思われる箇所や説明不足とも取れるところには、すべて訳注を添えてあります。
 『基本ルールブック』の付属シナリオを遊んだっきりで放り投げているそこのあなた! 『ミドンヘイムの灰燼』が出ましたので、ぜひ『ウォーハンマーRPG』の世界へ戻ってきて下さい。
 「洋ゲーって、展開が強引だし、バランスきついし、大変だよな!」とぼやいているそこのあなた、いちど『ミドンヘイムの灰燼』を使って、キャンペーンを遊んでみて下さい。
 一本筋の通ったストーリーラインが用意されているので、プレイヤー・キャラクターを誘導するにあたり、これほど楽なシナリオもありません。また、もしシナリオが本筋を外れたとしても、ミドンヘイムの設定を読み込んでおけば、きちんと対応は可能となるはずです。


 ゲームマスターにとっては、シナリオ達成にかかる時間調整が簡単なのも、『ミドンヘイムの灰燼』のウリの1つです。
 ひとつのシナリオは3時間程度で終わらせられ、たっぷりと遊びたい場合には、色々と修飾をくっつけることもできます。途中で、短編シナリオ集『略奪品の貯蔵庫』や、ダウンロードシナリオの冒険などを、挿入できる箇所も用意されており、まさにいたれりつくせりです。


 なお、『ミドンヘイムの灰燼』に収録されたシナリオは、「呪われし道」と名づけられた3部作の第1部となります。この後、『アルトドルフの尖塔』、『ナルンの高炉』と、冒険はエンパイアを股にかけた、未曾有のスケールのものへと広がっていきます。これは期待できますよ!


 ちょっとしたおまけも、忘れずに紹介しておきましょう。
 「狼縁の狂信者」に、「下水道調査隊員」という新キャリア、また「フレイヤーキン」と「ヘルキャノン」という、混沌の脅威の設定も用意されています。
 いずれも、『ウォーハンマーRPG』の舞台オールド・ワールドの、底知れぬ業の深さを感じさせるに足るものであり、まさに必見です!