『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版の神話級セッションを遊んでみました。


 岡和田は自分が関わっているRPG作品は、プライベートでもなるべく暇を見つけて遊ぶようにしています。
 ゆえあってこちらにプレイリポートは載せていませんが、たとえば『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版も、もちろん定期的に遊んでいます。
 この前、ついに22レベル、すなわち神話級のセッションを遊んでみました。邦訳の予定がある『ダンジョン・マガジン年鑑』に収録されている、“Winter of the Witch”をアレンジしてみました。シナリオの内容については詳しく書くことはしませんが(ネタバレになるため)、神話級というのは、ひとつ突き抜けた面白さがありました。


 そうそう、オープンな環境では、6月26日にはホビージャパンRPGコンベンションで、エベロン世界を舞台にした名作シナリオ「月の呪い」のマスターをさせていただきました。参加して下さった皆さま、ありがとうございました。


 かつて、新和から発売されていた『(クラシック)D&D』は、その習熟度に応じて、赤箱→青箱→緑箱→黒箱→金箱 といったように、必要なセットが変わっていきました。そして舞台はダンジョンからワイルダネスへ、ワイルダネス(荒野)から領地経営・マルチプレーンへ、そして攻城戦やイモータル(不死者)との戦いといった具合に、ステップアップしていくこととなります。そうした過程に準えられるかのように、ゲームスケールも変容を重ねていくことになるわけです。


 領地経営を主体とするキャラクターたちがダンジョンに潜っても構わないし、実際、そういう公式シナリオも準備されているわけですが、ゲーム世界における各々のキャラクターの立ち位置が上昇するにつれ、体験するゲームに相応しいスケールが用意されるし、また環境が整えられてしかるべきだと思うのです。


 翻って『D&D』第4版はどうか? 『D&D』の第4版は、1レベル(英雄級)のキャラクターも、30レベル(神話級)のキャラクターも、どちらも同じゲームスケールで遊ぶことが可能です。細かな差異はあれども、ゲームのコンセプトは変わっていない。言ってしまえば、それは新しい『D&D』が、ゲームとしての安定(プレイアビリティの拡充)を求めたのかもしれないし、反対に、ある意味の停滞である可能性も捨てられないというわけです。いや、単にハイパワーなバトルだけで終わっていたらどうなっていただろう、という懸念があったことは正直に告白しておきます。


 『D&D』第4版の高レベルシナリオを見ればわかりますが、ほとんど破綻すれすれの過激さを誇るパワーなり、魔法のアイテムなりがリストには乱舞しています。これらを実際に導入したら、シナリオはどうなるのか? 破綻するんじゃないか? と普通は思うでしょう。
 死なない神話の運命なんざ、ごろごろありますよ。ただ、なんとかなる(笑)ぶっちゃけ第3.5版のエピック近辺よりだいぶ処理が楽だし、ゲームらしくなっていた、というのは気のせいでしょうか。
 しかしながら私が驚いたのは、神話級を遊んだPCたちの楽しそうな顔です。これはやりたいことができるから、というのではなく、神話級のパワーや効果が「神話らしさ」をごく自然に演出していたからではないでしょうか。