シミルボンの「日本SF作家クラブ通信」に「SF評論入門」を寄稿

 書評サイト・シミルボンの「日本SF作家クラブ通信」に寄せた「SF評論入門」が、このたび公開になりました。原稿用紙換算で40枚ほどの大ボリュームで、なるべく評論家の固有名やジャーゴンを使わずに、根幹の部分を語ろうとした内容です。今後の展望を示しています。無料なので是非お読みください。

 My recent criticism about speculative fiction has published on Shimirubon, a splendid Book Review website

shimirubon.jp

 

 いくつか自明すぎて書きそびれた点がいくつかあるので、アウトテイクとして補足しておきます。

 まず、大前提として「表現の型式・形式に貴賎はない」。四百字ほどのショートレビューが、一冊の博士論文よりも重要な内容を言っていることって、普通にあるのです。アカデミズムに慣れれば慣れるほど、見過ごしがちなことですが。
 次に、「書き手にだけ責任があるのではなく、読者にも責任がある」。読者が容認するからこそ、自堕落な表現が蔓延するという相互依存があります。もちろん、一部で言われるように「批判」即「規制」でもない。
 そして「世代」の問題。書き手の実年齢としての「世代」へ過剰に拘泥するのって、酷く非SF的だと思いませんか。「世代」が感性を育むとは思えない。重要なのは勉強しているか、する気があるかどうか。「世代」は、せめて「文化環境」と言い換えるべきでしょうね。

 

 なお、週間記事ランキングで、日本SF作家クラブ通信に寄せた「SF評論入門」がトップをいただきました。ありがとうございます。

 

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