2022年春学期金曜4限シラバス(詩の技法)

 東海大学文化社会学部文芸創作学科で開講する掲題の講義の受講生の利便性に鑑み、シラバスをサイトでも公開します。

 

基本事項

/Basic Information           

学科目

/Field of Study   詩の技法

科目キーワード

/Course Keywords             英米詩、現代詩、批評

科目と関連する実務経験

/Related Practical Experience         有

アクティブラーニング科目

/Active Learning Course 該当する

地域志向による学修内容

/Regional/Area Content 無 

他科目との関係

/Relation to Other Courses             

科目の目的・学修内容

/Course Objectives and Content   

科目の要旨・概要

/Course Description/Summary       はたして詩性(ポエジー)とは何であるのか、万人が認める客観的な定義づけはかないません。ちょうど「文学」が定義不可能なのと同じことです。にもかかわらず、有史以来、詩は詠われ、連綿と書き継がれてきました。

 ただ、近代以降の文学史においては、「小説」のインパクトが圧倒的で、「詩」はしばしば周縁に追いやられてきたのが現状です。それでは、小説と詩はどう違うのでしょうか。短く行分けをして抒情でくるんだそれっぽい文を書けば、詩になりえるのでしょうか。

 逆説的な言い方になりますが、何が詩を規定するのかを把捉するためには、これまで書かれてきた「詩」をひたすら読み、蓄積と試行錯誤のプロセスを重ねていくほかありません。

 大学在学中に小説家デビューをするのは困難ですが、シジンとなるだけならば簡単です。けれども、あなたは、わずかな部数しか発行されず、梨の礫が続いても、言葉が世界の深い部分の動因に繋がると「内なる批評家」を納得させられるでしょうか。その意味で、もっとも鋭く倫理の基底が問われるのが詩という形式でしょう。

 本講義では、形而上詩を中心とする近現代の洗練されたイギリス詩を中心とした詩を講読しつつ、巧まざる日本の民衆詩・生活詩も参照していくことで、内なる批評家の審美眼を、どうしたら統制的理念としての「外部」と接続させられるか、そのための手がかりを模索していきます。

 

実務経験に基づく学修内容

/Content Related to Practical Experience      講師は2007年から商業デビューし、2015年から「現代詩手帖」等の詩誌で詩論の発表を開始。2019年からは実作も並行して行うようになり、同年刊行の第一詩集『掠れた曙光』(幻視社/書苑新社)で茨城文学賞を受けました。「壘」、「フラジャイル」、「茨城の文化」、「白亜紀」、「早稲田学報」、「現代詩手帖」、「ナイトランド・クォータリー」、「潮流詩派」、「詩界」といった詩誌・文芸誌に詩論や実作を寄稿しています。2021年には「清水博司論」、「村田正夫論」で潮流詩派賞評論部門年間最優秀作品賞を受賞しました。林美脉子『タエ・恩寵の道行』(書肆山田)、花崎皋平『アイヌモシリの風に吹かれて』(増補版、クルーズ)の跋文や帯文も担当しています。

 以上の経験をふまえ、文芸ジャーナリズムの歴史と現状を伝えるのはむろんのこと、そこで拾われてない傑作・佳作についても柔軟に紹介していきます。

アクティブ・ラーニングによる学修内容

/Active Learning Content               基本は作品を講読していきますが、単に流し読みをするのではなく、朗読の訓練を含めて、声に出して身体化していくことを目指します。かつ、理論的なフレームを参照しつつ、分析のための基礎的なスタンスをも知ることができるように修練を行います。受講生の希望と姿勢に合わせて、講読のみならず実作も視野に入れていきます。

地域志向による学修内容

/Regional/Area Content

大学全体レベルのDP

/University-level DP         『自ら考える力』探求力:対象の現状に問を見いだし、それを解くための方法や手段となる情報の在所を求める

学位プログラムレベルDP

/Degree Program-level DP              態度・志向性

本科目の学修成果目標(ラーニングアウトカム)

/Course Learning Outcomes           ・詩の歴史と現在をふまえ、文学的知識の基盤と独習の姿勢を培います。

・漫然と言葉を並べるのではなく、行間に何を語らせるのか、どこに批評的焦点を与えるのか、そのための判断力を養います。

・印象を語るだけではなく、理論や技巧の分析をベースに詩の批評ができるようになることで、それを実作(と、その質)に転化させられるような蓄積を重ねます。

・既存の詩壇ジャーナリズムの枠内で小さくまとまらず、社会の変動や新たな表現の位相と切り結ぶための試行錯誤を重ねられるような知的体力を養成します。

 

成績評価基準・方法

/Grading Method             

成績評価の基準・方法

/Grading Method               評価のポイントは、以下の4点です。

 

1)取り扱った作家・作品の内在的特性が理解できているか(約20%)

2)作品の周辺に存在する文脈が理解できているか(約20%)

3)テクストへ積極的に取り組み、読解・創作ができているか(約40%)

4)批評的であることの意義が理解できているか(約20%)

 

 毎回、フィードバックシートへの記入を行ってもらい、それを出欠確認と小テストの代わりとします。それとは別に、中間レポート、期末レポートが課されます。

 なお、レポート執筆の際にWikipediaを参考資料に用いることを禁止します。共作を行う場合は、事前に申請して講師の許可を得てください。代返等・コピペ等の不正行為に関しては厳正に対処します。各種文章がしっかり書けていることは、評価の前提条件とします。

 上記の学習目標が達せられているかどうかを、フィードバックを含む出席点(40点)、レポート(60点)、のウエイトで評価して総合的に判定します。具体例として、その合計が90点以上をS評価、80点以上90点未満をS評価、70点以上80点未満をB評価、60点以上70点未満をC評価とします。

 ただし、出席回数が7割未満の場合、この限りではありません。

課題・試験・レポート等のフィードバック方法

/Method of Feedback (e.g. Assignments, Exams, Reports)         講義内で随時フィードバックします。また、レポート優秀作はプロの書き手に見せる可能性があり、あらかじめご了解ください。

履修上の注意点

/Notes                  講義の際には、相当分量の論文や現代詩を読み進めていくことになります。関連して文献も紹介しますが、少々難解かもしれない理論も含まれます。講義へのフィードバックを毎回記入してもらい、それを講師が講義内容へ反映させていきます。その他、双方向的な講義になりますので、積極的な協力・参加が求められます。期末レポートのほかに、中間レポートがあります。

 現代詩作家には、詩誌に参加したり創刊したりすればよいので、すぐにでもなることができますが、蓄積がなければ質を保ったアウトプットを継続することが困難で、そのための訓練だと思ってください。他学部・他学科からの聴講も歓迎しますが、途中で離脱するケースが多いので、いちどやると決めたら、最後まで受講することを推奨します。さもなければ、身につきません。

シラバス配付方法

/Syllabus Distribution Method        あらかじめ学生がシラバスを印刷またはダウンロードして授業に持参ください。

教科書

/Textbooks         ・イギリス名詩選、平井正穂編、岩波文庫、1012円

・詩の中にめざめる日本、真壁仁編、岩波新書、1034円

参考図書・その他の教材

/Other Course Materials ・『レゴリス/北緯四十三度』、林美脉子、思潮社、2640円

担当教員への連絡方法

/Method of Communication with Instructor                

研究室 他

/Office                  14号館講師室。ただし、事前に必ずアポイントメントをとってください。

連絡方法

/Contact Information        akiraokawada@gmail.com

オフィスアワー

/Office Hours     事前にメールでご相談ください。

 

No.         回(日時)

/Time (date and time)     主題と位置付け(担当)

/Subjects and position in the whole course   学習方法と内容

/Methods and contents    予習・復習

/Preparation and review

1             1             ガイダンス            対面授業/講義の概要と参加者自己紹介。以降、特に明記しないが、随時、『詩の中にめざめる日本』等のアンソロジーや、まさにいま書かれている現代詩も積極的に鑑賞します。白石かずこ古川日出男、江原光太等の朗読も聴き、身体でまるごと詩を咀嚼していきます。            予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

2             2             リベルタンとしての詩人   対面授業/ローレンス・ダンモア監督の映画『リバティーン』や、グレアム・グリーンロチェスター卿の猿』を確認し、作品内外における詩人の位置を探ります。                  予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

3             3             形而上詩                対面授業/ジョン・ダン等の詩を味わい、分析を試みます。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

4             4             ロマン主義(1)                  対面授業/トマス・グレイ等の詩を味わい、分析を試みます。                予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

5             5             ロマン主義(2)                  対面授業/ジョン・キーツ等の詩を味わい、分析を試みます。                予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

6             6             20世紀詩(1)    対面授業/W・B・イェイツ等の詩を味わい、分析を試みます。                予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

7             7             20世紀詩(2)    対面授業/T・S・エリオット、C・A・スミス等の詩を味わい、ニュークリティシズムでの批評、関連する小説等も参照します。                予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

8             8             フランス詩            対面授業/ランボーヴェルレーヌからアニー・ル・ブランまでの詩を概観し、適宜、それらについての批評を参照します。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めてい(100分)

 

9             9             ドイツ詩                対面授業/へルダーリンやパウル・ツェランからドゥルス・グリューンバインまでの詩を概観し、適宜、それらについての批評も参照します。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

10           10           アメリカ詩            対面授業/ディキンスンやギンズバーグからトマス・ディッシュ、ルイーズ・グリュックまで詩を味わい、音楽等の他のメディアとの連関をも考察します。            予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

11           11           近代詩 対面授業/島崎藤村、向井夷希微、萩原朔太郎北園克衛西脇順三郎等の詩を味わい、それらをふまえた批評や実作をも確認します。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

12           12           現代詩(1)         対面授業/吉本隆明三好達治黒田喜夫森崎和江吉岡実吉増剛造、鷲巣繁男らの詩を味わい、詩人たちが書いた批評や散文の文脈も把握します。関連して、「白亜紀」や「潮流詩派」といった詩誌についても現物に触れていきます。            予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

13           13           プロレタリア詩とカウンター・カルチャー   対面授業/小熊秀雄、今野大力、村田正夫、清水博司、長沢哲夫等の詩を味わい、関連した批評や実作も把握します   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

14           14           現代詩(2)         対面授業/林美脉子、武子和幸、星野徹、安藤元雄、上林俊樹、米山将治、野上光子、奥間埜乃、田中さとみ等の詩を味わい、関連した批評や実作も咀嚼します。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

2022年春学期金曜3限シラバス(文学とセクシュアリティ)

 東海大学文化社会学部文芸創作学科で開講する掲題の講義の受講生の利便性に鑑み、シラバスをサイトでも公開します。

 

基本事項

/Basic Information           

学科目

/Field of Study   文学とセクシュアリティ

科目キーワード

/Course Keywords             フェミニズム/クイア文学、世界文学、批評

科目と関連する実務経験

/Related Practical Experience         有

アクティブラーニング科目

/Active Learning Course 該当する

地域志向による学修内容

/Regional/Area Content 無 

他科目との関係

/Relation to Other Courses             

科目の目的・学修内容

/Course Objectives and Content   

科目の要旨・概要

/Course Description/Summary       狭義の「文学」のみならず、あらゆる文化とセクシュアリティは無縁ではありえませんが、それにまつわる表徴はしばしば巧妙に操作され、私たちの欲望を駆動させる動因、あるいは排除の原理として、不均衡な社会を形作ってしまっています。インターネットの普及により議論の機会は増えたかにも見えますが、かえって差別的な言辞が大手を振るう結果にもなっているのはご承知の通りで、性役割の押し付けはいまだ根強い――などという言葉では語り切れないほどの規模で――残存しています。誰しもが自由でありたいと願っていますが、そのためには性急な言説に惑わされず、批評的な思考を鍛えることで、他者に出会い直す必要があります。

 本講座では、フェミニズム批評を中心とした人文社会科学的なフレームを参照しつつ、海外のフェミニズム/クイア文学作品の講読をしていきますが、一方通行の講義ではなく、常に双方向的な議論を心がけていきます。積極的な参加を期待します。

 

実務経験に基づく学修内容

/Content Related to Practical Experience      講師は2008年より文芸ジャーナリズムにおける批評活動を開始し、「時事通信」「共同通信」「北海道新聞」等で、数多くの現代文学を論じてきました。2015年より開始した「図書新聞」の文芸時評は2022年で8年目に入りますが、マイノリティ・スタディーズの視座に着目する形で、最新の文学状況をフォローしてきました。2019年に刊行した編著『現代北海道文学論』(藤田印刷エクセレントブックス)では批評家ガヤトリ・C・スピヴァクの理論をフレームワークとし、欧米文学者たちによる2021年の共著『脱領域・脱構築・脱半球』(小鳥遊書房)ではスピヴァクの項目を担当しています。また、翻訳文学を中心にした文芸誌「ナイトランド・クォータリー」の編集長をつとめ、最新のフェミニズム/クイア文学を編集・翻訳・批評しています。

 以上の経験を活かし、国内外の最新の動向を受講生にフィードバックします。

 

アクティブ・ラーニングによる学修内容

/Active Learning Content                 精読を核としますが、受け身の講義ではなく、常に創作と理論へ同時に親しみ、講読と討議を融合させることを目指します。具体的には、毎度学生にフィードバック・シートとして小レポートを記述してもらい、それを議論の素材として、積極的な参加を促します。

地域志向による学修内容

/Regional/Area Content

大学全体レベルのDP

/University-level DP         『集い力』アイデンティティ獲得:他者の価値観を理解し、集団の中で自己や他者の役割を理解し、信頼を構築

学位プログラムレベルDP

/Degree Program-level DP              態度・志向性

 

本科目の学修成果目標(ラーニングアウトカム)

/Course Learning Outcomes           ・セクシュアリティを基軸としつつ、世界文学の歴史と現在に関する関心を培います。

フェミニズム/ポストコロニアリズムを中心とした理論的な考え方の基本を習得します。

・日常的に接する文化表象から歴史化された表徴の内在的論理を読み解き、自律した思考のための基礎を培います。

・自覚的/無自覚に差別の再生産に加担しないための責任感を涵養します。

成績評価基準・方法

/Grading Method             

成績評価の基準・方法

/Grading Method               評価のポイントは、以下の4点です。

 

1)取り扱った作家・作品の内在的特性が理解できているか(約20%)

2)作品の周辺に存在する文脈が理解できているか(約20%)

3)テクストへ積極的に取り組み、読解・創作ができているか(約40%)

4)批評的であることの意義が理解できているか(約20%)

 

 毎回、フィードバックシートへの記入を行ってもらい、それを出欠確認と小テストの代わりとします。それとは別に、中間レポート、期末レポートが課されます。

 なお、レポート執筆の際にWikipediaを参考資料に用いることを禁止します。共作を行う場合は、事前に申請して講師の許可を得てください。代返等・コピペ等の不正行為に関しては厳正に対処します。各種文章がしっかり書けていることは、評価の前提条件とします。

 上記の学習目標が達せられているかどうかを、フィードバックを含む出席点(40点)、レポート(60点)、のウエイトで評価して総合的に判定します。具体例として、その合計が90点以上をS評価、80点以上90点未満をS評価、70点以上80点未満をB評価、60点以上70点未満をC評価とします。

 ただし、出席回数が7割未満の場合、この限りではありません。

課題・試験・レポート等のフィードバック方法

/Method of Feedback (e.g. Assignments, Exams, Reports)         講義内で随時フィードバックを行います。優秀なレポートは、プロの書き手に見てもらうことがあります。あらかじめご了承ください。

履修上の注意点

/Notes                  同時代の「日本」で書かれたも交えますが、基本的には海外の小説や詩・批評を精読していきます。

 課題のテクストを、時には声を出して精読していきながら、その表現や問題意識を咀嚼します。

 講義内はあくまでも思考実験の場であり、いたずらに文脈を切断して議論の内容を外に出さないようにご注意ください。参加者のアイデンティティや指向性・安全性を最優先いたしますので、配慮を希望する方は、いつでもお知らせください。

シラバス配付方法

/Syllabus Distribution Method        あらかじめ印刷またはPDFでダウンロードのうえ、受講に臨んでください。

教科書

/Textbooks         ・ダロウェイ夫人、ヴァージニア・ウルフ、丹治愛訳、集英社文庫、825円

参考図書・その他の教材

/Other Course Materials ・絵画の政治学、リンダ・ノックリン・坂上桂子訳、ちくま学芸文庫、1650円

・鳩沢佐美夫の仕事 第一巻、鳩沢佐美夫、藤田印刷エクセレントブックス、2200円

担当教員への連絡方法

/Method of Communication with Instructor                

研究室 他

/Office                  14号館講師室。ただし、事前に必ずアポイントメントをとってください。

連絡方法

/Contact Information       akiraokawada@gmail.com

オフィスアワー

/Office Hours     事前にメールでご相談ください。

 

/Time (date and time)     主題と位置付け(担当)

/Subjects and position in the whole course   学習方法と内容

/Methods and contents    予習・復習

/Preparation and review

1             1             ガイダンス/モダニズム文学とフェミニズム(1)                  面接授業/講義の概要を説明し、学生の自己紹介と問題意識のあり方を伝えてもらった後、ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』の序盤を講読します。

※以後、随時、同時代のテクストも参照しつつ、参加者の指向性にあわせて、取り上げる作品を組み替えていきます。鳩沢佐美夫「休耕」等、従来の日本文学研究ではほとんど顧みられてこなかった作品も扱っていきます。       予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

2             2             モダニズム文学とフェミニズム(2)             面接授業/モダニズムの技法を深化させた、ナタリー・サロートのラジオドラマ脚本「嘘」を講読し、何が語り落とされているのかを考察します。                  予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

3             3             フェミニズムSF(1)        面接授業/ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア接続された女」と、マーガレット・セント・クレア「ボーリョー」を比較しつつ、工業化・情報社会化した状況における身体の問題を考察します。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

4             4             短詩形文学            面接授業/トマス・M・ディッシュのクイア詩から、塚本邦雄や春日井建など俳句や短歌におけるクイア性にもスポットを充てて分析していきます。       予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

5             5             フェミニズムSF(2)        面接授業/第2波フェミニズムとSF、モダンアートの発想を融合させたパミラ・ゾリーン「宇宙の熱死」を講読し、リチャード・コールダーのポストサイバーパンクガイノイド三部作を概観します。            予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

6             6             現代小説(1)、   面接授業/レアード・バロンのレズビアン人狼ホラー(という括りでは真価がわからないであろう部分まで含めて傑作)「腐肉喰らいの神の楽園」を講読します。              予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

7             7             現代小説(2)     面接授業/近年再評価が著しいアンナ・カヴァンアサイラム・ピース』から何作かを精読し、越境的なフェミニズム文学の位置を「自分のなかのもの」として探っていきます。                  予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

8             8             フェミニズム小説の最新形                面接授業/世界幻想文学大賞候補となった最新のフェミニズム小説、リサ・ハネットの「戴冠試合」を講読します。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

9             9             ラテンアメリカ文学            面接授業/アルゼンチンの作家・詩人シルビア・オガンポの傑作選『蛇口』から何作かを講読し、その軌跡を追体験します。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

10           10           現代詩 面接授業/ルイーズ・グリュック『アヴェルノ』を読み、現代詩のなかでどのように神話とフェミニズムが融合しているかを確認します。                予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

11           11           ハードコア・パンク            面接授業/ミシェル・クルーズ・ゴンザレス『スピットボーイのルール』を読み、ハードコア・パンク・バンドにおけるフェミニズムのあり方を探ります。            予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

12           12           理論に親しむ(1)             面接授業/リンダ・ノックリン『絵画の政治学』やイヴ・セジウィック『男同士の絆』を講読し、理論の概要を掴みます。       予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

13           13           理論に親しむ(2)             面接授業/ジュディス・バトラー&ガヤトリ・スピヴァク『国家を歌うのは誰か?』、テッサ・モーリス・スズキ『辺境から眺める』を講読し、理論の概要を掴みます。                  予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

 

14           14           理論に親しむ(3)             面接授業/ダナ・ハラウェイ「もう神のトリックはいらない 靈長類、サイボーグ、女性」を講読し、理論の概要を掴みます。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

2022年春学期水曜4限シラバス(幻想文学・SF論論)

 東海大学文化社会学部文芸創作学科で開講する掲題の講義の受講生の利便性に鑑み、シラバスをサイトでも公開します。

 

/Field of Study   サブカルチャーと文学

科目キーワード

/Course Keywords             幻想文学、SF、批評

科目と関連する実務経験

/Related Practical Experience         有

アクティブラーニング科目

/Active Learning Course 該当する

地域志向による学修内容

/Regional/Area Content 無 

他科目との関係

/Relation to Other Courses               同名の講座が水曜3限・水曜4限で展開されますが、内容はまったく異なります。意欲のある受講者は、両方の受講も歓迎します(ただし、単位は片方しか出ず、もう片方は自由聴講扱いとなります)。既習者の受講も歓迎します(こちらも自由聴講扱いとなります)。

 過去履修者の継続出席、学部・他学科からの聴講も歓迎しますが、途中で離脱するケースが少なくないので、いちどやると決めたら、最後まで受講することを推奨します。さもなければ、身に付きません。

科目の目的・学修内容

/Course Objectives and Content   

科目の要旨・概要

/Course Description/Summary       あらゆる文化に貴賤はなく、各々の表現形式の差異と技術の高低が存在するにすぎません。しかしながら、既存の「文学」の側には権威に寄りかかった事大主義があり、対して「サブカルチャー」とされる側には商業主義を基軸とした美学や倫理の不在があって、相互に排他的な文脈を形成してしまっています。それは大変不幸なことであるため、本講義ではいったん文学史を遡行しながら、「文学」と、現代的な「サブカルチャー」の代表格とされる「幻想文学・SF」のあり方を、理論と創作の融合を介して問い直し、既存の「サブカルチャー」の枠組みを超えた、新たな表現を生み出すための基礎的な教養と技倆の獲得を目指します。

 シラバス編成の都合上、本講義タイトルには「サブカルチャー」と掲げられていますが、講師は水曜3限の講義を「ゲームデザイン論」、水曜4限の講義を「幻想文学・SF論」と呼ぶことにしています。皆さんも、講義内や講師への連絡ではそう呼んでください。

 本講義では広義の幻想文学・SFを扱います。幻想文学・SFは――いまや素朴なリアリズムでは捉えきれない――複雑な現実を的確に表現することができる方法ですが、しばしば文学史においては周縁的な「サブカルチャー」だとみなされてきました。また、大学で講じられるカノン(正典)としての文学は、硬直的なものになることが珍しくありません。

 しかし、本講義では、幻想文学・SFを周縁的でエキセントリック(ex-centric)なものではなく、そこから再帰的に文学の中心そのもの(centric)であるとみなし、その前提で議論を組み立てていきます。ゆえに本講義は、「幻想文学を媒介とした“反”サブカルチャー論」と言うのが正確でしょう。

 

実務経験に基づく学修内容

/Content Related to Practical Experience      講師は2008年以降、幻想文学やSFを中心とした論考や創作を発表しており、『「世界内戦」とわずかな希望 伊藤計劃・SF・現代文学』(第5回日本SF評論賞優秀作)、『北の想像力 〈北海道文学〉と〈北海道SF〉をめぐる思索の旅』(寿郎社)、『反ヘイト・反新自由主義の批評精神 いま読まれるべき文学とは何か』(第50回北海道新聞文学賞創作・評論部門佳作)といった単著・編著のほか、「図書新聞」ほか各種新聞・文芸誌で多数の論考を発表し、現在は翻訳を中心とした幻想文学専門誌「ナイトランド・クォータリー」の編集長をつとめています。2021年から22年にかけても、『再着装(リスリーヴ)の記憶 〈エクリプス・フェイズ〉アンソロジー』(アトリエサード)、『いかに終わるか 山野浩一発掘小説集』(小鳥遊書房)といった編著を刊行しています。

 以上のような経験をふまえ、歴史と現在をふまえた情報提供・指導を随時行っていきます。

 

アクティブ・ラーニングによる学修内容

/Active Learning Content                 映像資料の分析も交えますが、基本的には小説・現代詩・批評を精読していきます。

 課題のテクストを、時には声を出して精読していきながら、その表現されている細部の機微を身体レベルで自家薬籠中の物としていきます。というのも、いま、創作や批評を試みるにあたって、もっともネックになるのが、絶対的な読書量と咀嚼の不足であり、先人の成果を適切に認識し、身体化できずにいることです。

 それを克服するため、積極的に講義内で議論し、また文章を書いて発表してもらいます。

・日常的に接する文化環境に対しての批判的な視座を持ち、そのルーツを探り新たな表現を産むために必要な(最低限の)知識と好奇心を涵養します。

・悪しき意味で「世間」の流行り廃りに右顧左眄しない、文学を精読する知的な「粘り腰」を身に着けます。そこから、理論を噛ませて視座を広げるコツと学びます。

・既存の文化史・文学史の常識を、徹底的に掘り下げながら盲信しない批評性を獲得し、それをオリジナリティへ昇華させることを目指します。

現代文学とSF・ミステリ・幻想文学の各「ジャンル」で蓄積されてきた批評理論の基礎を習得します。またカルチュラルスタディーズ、ジェンダーポストコロニアル理論といった、文化批評の基礎を習得します。

大学全体レベルのDP

/University-level DP         『挑み力』問題発見力:困難と思える問題・課題を自分のこととして捉え、向き合う。

学位プログラムレベルDP

/Degree Program-level DP              汎用的技能

本科目の学修成果目標(ラーニングアウトカム)

/Course Learning Outcomes           ・日常的に接する文化環境に対しての批判的な視座を持ち、そのルーツを探り新たな表現を産むために必要な(最低限の)知識と好奇心を涵養します。

・悪しき意味で「世間」の流行り廃りに右顧左眄しない、文学を精読する知的な「粘り腰」を身に着けます。そこから、理論を噛ませて視座を広げるコツと学びます。

・既存の文化史・文学史の常識を、徹底的に掘り下げながら盲信しない批評性を獲得し、それをオリジナリティへ昇華させることを目指します。

現代文学とSF・ミステリ・幻想文学の各「ジャンル」で蓄積されてきた批評理論の基礎を習得します。またカルチュラルスタディーズ、ジェンダーポストコロニアル理論といった、文化批評の基礎を習得します。

成績評価基準・方法

/Grading Method             

成績評価の基準・方法

/Grading Method               評価のポイントは、以下の4点です。

 

1)取り扱った作家・作品の内在的特性が理解できているか(約20%)

2)作品の周辺に存在する文脈が理解できているか(約20%)

3)テクストへ積極的に取り組み、読解・創作ができているか(約40%)

4)批評的であることの意義が理解できているか(約20%)

 

 毎回、フィードバックシートへの記入を行ってもらい、それを出欠確認と小テストの代わりとします。それとは別に、中間レポート、期末レポートが課されます。

 なお、レポート執筆の際にWikipediaを参考資料に用いることを禁止します。共作を行う場合は、事前に申請して講師の許可を得てください。代返等・コピペ等の不正行為に関しては厳正に対処します。各種文章がしっかり書けていることは、評価の前提条件とします。

 上記の学習目標が達せられているかどうかを、フィードバックを含む出席点(40点)、レポート(60点)、のウエイトで評価して総合的に判定します。具体例として、その合計が90点以上をS評価、80点以上90点未満をS評価、70点以上80点未満をB評価、60点以上70点未満をC評価とします。

 ただし、出席回数が7割未満の場合、この限りではありません。

課題・試験・レポート等のフィードバック方法

/Method of Feedback (e.g. Assignments, Exams, Reports)         随時講義内でフィードバックを行い、レポートの優秀作はプロの書き手に見てもらうことがあります。あらかじめご了承ください。

履修上の注意点

/Notes                  講義の際には、相当分量の論文や小説・現代詩を読み進めていくことになります。関連して文献も紹介しますが、少々難解かもしれない理論も含まれます。講義へのフィードバックを毎回記入してもらい、それを講師が講義内容へ反映させていきます。その他、双方向的な講義になりますので、積極的な協力・参加が求められます。期末レポートのほかに、中間レポートがあります。

 本気で将来、何らかの形で「仕事」として文章を書いていきたい人は、大いに歓迎します。前期履修者の継続出席、他学部・他学科からの聴講も歓迎しますが、途中で離脱するケースが多いので、いちどやると決めたら、最後まで受講することを推奨します。さもなければ、身につきません。

 ウイルス禍の状況に応じ、一部または全部の講義を遠隔に移行する可能性があります。

 

シラバス配付方法

/Syllabus Distribution Method        あらかじめ学生がシラバスを印刷またはダウンロードして授業に持参ください。

教科書

/Textbooks         ・「ナイトランド・クォータリー vol.28 暗黒の世界と内なる異形」、岡和田晃編集長、アトリエサード/書苑新社、1870円

参考図書・その他の教材

/Other Course Materials 2021年度秋学期のレポートの最優秀作はウェブにて公開しています。参考にしてください。

 チェンジリングと、チェンジリングのこれからについての考察(平岡彩音

https://shimirubon.jp/columns/1707126

 それ以前の受講生によるレポート(評論)の最優秀作は、以下の4点です。過去の受講生のなかには、商業誌で書くようになった人もいますので、参考になると思います。

https://shimirubon.jp/columns/1701319

https://shimirubon.jp/columns/1690934

https://shimirubon.jp/reviews/1698553

https://shimirubon.jp/columns/1705558

担当教員への連絡方法

/Method of Communication with Instructor                

研究室 他

/Office                  14号館講師室。ただし、事前に必ずアポイントメントをとってください。

連絡方法

/Contact Information       akiraokawada@gmail.com

オフィスアワー

/Office Hours     事前にメールでご相談ください。

 

1             1             ガイダンス            面接授業/講義の概要を解説し、受講生の自己紹介を行なってもらった後、C・J・チェリイ(「ナイトランド・クォータリー」、以下「NLQ」Vol.27)およびパトリシア・A・マキリップ「ウンディーネ」(NLQ増刊号)を講読し、創作や批評に活かす方法を模索します。       予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

2             2             古典ファンタジーに触れる                面接授業/NLQ28の井辻朱美インタビューを参考に、C・S・ルイスの『ナルニア国ものがたり』、J・R・R・トールキンの『指輪物語』といったファンタジーの古典を、批評的ポイントを交えて確認していきます。       予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

3             3             幻想文学の歴史(1)         面接授業/主に19世紀から20世紀にかけてのファンタジー文学・児童文学・ホラー文学の歴史を概観し、基礎的な知識を習得します。            予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

4             4             幻想文学の歴史(2)         面接授業/主に19世紀から20世紀にかけてのファンタジー文学・児童文学・ホラー文学の歴史を概観し、基礎的な知識を習得します。            予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

5             5             モダン・ファンタジーを読む(1)                  面接授業/NLQ28のマイクル・ムアコック「漆黒の花弁」を講読し、世界観と人物を把握します。                予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

6             6             モダン・ファンタジーを読む(2)                  面接授業/NLQ28のマイクル・ムアコック「漆黒の花弁」を講読し、その構造について議論します。

 

                 予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

7             7             モダン・ファンタジーを読む(3)                  面接授業/NLQ28のナンシー・A・コリンズ「竜の心臓」を講読し、シェアード・ワールドのあり方について理解を深めます。                予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

8             8             古典ホラーを読む(1)     面接授業/NLQ28のエラ・スクリムサワー「呪いの目」を講読し、オカルト探偵と怪異について、それを成立させた時代状況をふまえながら確認していきます。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

9             9             古典ホラーを読む(2)     面接授業/NLQ28のゲオルク・フォン・デア・ガーベレンツ「あのもう一人」を講読し、ドッペルゲンガー・モチーフの歴史と、非英語圏の怪奇幻想文学について考察します。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

10           10           怪奇幻想文学レイシズム                面接授業/NLQ28のユードラ・ウェルティ「キーラ、インディアンの父無し娘」をレイシズム批判の視点から講読し、表象と現実の複雑な絡み合いから目を背けない想像力のあり方について議論します。       予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

11           11           モダン・ホラーを読む       面接授業/NLQ28のティム・ワゴナー「廃物たち」を講読し、エコロジーモダン・ホラーの関わりについて議論します。   予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

12           12           現代の幻想小説を読む       面接授業/NLQ28の高原英理「隙間の心」を講読し、都市空間における遊歩(フラヌール)性と、狭義のジャンル性を突き詰めることで逸脱することの可能性を議論します。       予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

13           13           詩と幻想文学       面接授業/NLQ28のウォルター・デ・ラ・メア「メルミロ」ほか、小説ではなく詩でしか表現できない幻想美の可能性を考究します。             予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

14           14           レポートに向けての確認・添削       面接授業/レポート提出に向けた、現代詩・小説の実作および幻想文学批評執筆の進捗を確認し、具体的に添削していきます。            予習:講義で指示された課題について構想を練り、具体的に批評文ないし実作を執筆し、講義前日12:00までに提出する(100分)

 

復習:講義での講評に従い、批評文ないし実作を改稿し、さらに完成度を高めていく(100分)

2022年春学期水曜3限シラバス(ゲームデザイン論)

 東海大学文化社会学部文芸創作学科で開講する掲題の講義の受講生の利便性に鑑み、シラバスをサイトでも公開します。

 

 

サブカルチャーと文学

科目キーワード

/Course Keywords             ゲームデザイン、シナリオ創作、文芸評論

科目と関連する実務経験

/Related Practical Experience         有

アクティブラーニング科目

/Active Learning Course 該当する

地域志向による学修内容

/Regional/Area Content 無 

他科目との関係

/Relation to Other Courses               同名の講座が水曜3限・水曜4限で展開されますが、内容はまったく異なります。意欲のある受講者は、両方の受講も歓迎します(ただし、単位は片方しか出ず、もう片方は自由聴講扱いとなります)。既習者の受講も歓迎します(こちらも自由聴講扱いとなります)。

 過去履修者の継続出席、学部・他学科からの聴講も歓迎しますが、途中で離脱するケースが少なくないので、いちどやると決めたら、最後まで受講することを推奨します。さもなければ、身に付きません。

科目の目的・学修内容

/Course Objectives and Content   

科目の要旨・概要

/Course Description/Summary       あらゆる文化に貴賤はなく、各々の表現形式の差異と技術の高低が存在するにすぎません。しかしながら、既存の「文学」の側には権威に寄りかかった事大主義があり、対して「サブカルチャー」とされる側には商業主義を基軸とした美学や倫理の不在があって、相互に排他的な文脈を形成してしまっています。それは大変不幸なことであるため、本講義ではいったん文学史を遡行しながら、「文学」と、現代的な「サブカルチャー」の代表格とされる「ゲーム」のあり方を、理論と創作の融合を介して問い直し、既存の「サブカルチャー」の枠組みを超えた、新たな表現を生み出すための基礎的な教養と技倆の獲得を目指します。

 シラバス編成の都合上、本講義タイトルには「サブカルチャー」と掲げられていますが、講師はこの水曜3限の講義を「ゲームデザイン論」と呼ぶことにしています。受講生の皆さんも講義内や私宛の連絡では、この講義を「ゲームデザイン論」と呼んでください。

 とかく“ゲームは「サブカルチャー」であり、大学で講じられる古典的な「文学」よりも質的に劣っている”……という謬見が世に蔓延していますが、本講義はそのような立場を採りません。すなわち、ゲームが「サブカルチャー」であるという通念を裏返す「反サブカルチャー」論であり、ゲーム史と文学史の交点を、実作を通じた「世界文学」の観点から探っていく、というアプローチを採っていきます。

 また、ゲームデザインというとデジタルゲーム(コンピュータゲーム)を想起する方が多いかもしれません。もちろんデジタルゲームの歴史と現在にも、必要に応じて触れていきますが、本講義では、アナログゲーム(電源を使わないゲーム)、とりわけストーリーゲーム/ナラティヴゲームというものをデザインしていく作業を中核に据えます。

 よって、プログラミングの知識や技術は不要ですが、代わりに、土台となる文学的な教養を深め、知見を広げていく作業が必要不可欠となります

実務経験に基づく学修内容

/Content Related to Practical Experience      講師は現役のゲームデザイナー(ゲーム作家)であり、同時に評論家・研究家でもあります。2007年に商業デビューしてから、「Role and Roll」「Lead and Read」「GAME JAPAN」「R・P・G」「4Gamer.net」「TtTマガジン」「ウォーロック・マガジン」「GMウォーロック」ほかの商業媒体で書き続け、『ウォーハンマーRPG』(第2版・4版、ホビージャパン)、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(第3.5版・4版、ホビージャパン)、『エクリプス・フェイズ』(新紀元社)、『トンネルズ&トロールズ完全版』(グループSNE)、『ガンドッグゼロ』(新紀元社)等のタイトルに関係した出版を多数行ってきました。また『世界にあけられた弾痕と、黄昏の原郷 SF・幻想文学・ゲーム論集』(アトリエサード)ほか、ゲーム研究の学術的著作も数多くあります。

 それらの成果を、随時共有することで、常に学生が歴史と現在へアクセスできるように努めます。将来、何らかの形で仕事として「ゲームと文学の交点」に関わっていきたい方は、大いに歓迎します。

 

アクティブ・ラーニングによる学修内容

/Active Learning Content                 講義内で実際に各種のゲーム作品をプレイし、古典的から最新系の幻想文学やSF・ホラー等を可能な限り精読します。

 出席の代わりに、毎回の課題をこなすことで、基礎的なデザイン・批評スキルを身に着けます。

 レポート執筆のためには、講義外でのテストプレイが必須です。

 受講生の多くは楽しみながら、原稿用紙で何十枚もあるレポートを仕上げてしまいます。端的に言えば、それだけ楽しくやり甲斐はあるが、ラクに単位を取得したい人には向いていない講義ということになります。

 

大学全体レベルのDP

/University-level DP         『挑み力』問題発見力:困難と思える問題・課題を自分のこととして捉え、向き合う。

学位プログラムレベルDP

/Degree Program-level DP              汎用的技能

 

本科目の学修成果目標(ラーニングアウトカム)

/Course Learning Outcomes           ・日常的に接する文化環境に対しての批判的な視座を持ち、その淵源を探り新たな表現を産むために必要な、最低限の知識と向学心を涵養します。

クリエイティヴ・ライティングの基礎を、ゲームデザインという作業を介して習得します。

・ゲームの改良(ディベロップメント)のプロセスを介し、知識を受動的ではなく能動的に定着させる方法を学びます。

ゲームデザインを通じて既存の文学史を再検討し、文学とゲームを融合させた新たな表現を切り拓いていくための土台を身に着けます。

・ゲームとしての文学を扱った批評を講読していくことで、悪しき意味での「クールジャパン」な「サブカルチャー」礼賛には終わらない、学術的な批評精神を身に着けます。

・文学作品の精読と批評理論の基礎を習得し、それを自ら応用させていく姿勢が「癖」になるようにします。

 

成績評価基準・方法

/Grading Method             

成績評価の基準・方法

/Grading Method               評価のポイントは、以下の4点です。

1)ゲームデザインという作業の特性が理解できているか(約20%)

2)作品の内実や、周辺に存在する文脈が理解できているか(約20%)

3)課題へ積極的に取り組み、読解・創作・論文執筆ができているか(約40%)

4)批評的であることの意義が理解できているか(約20%)

 毎回、フィードバックシートの記述を行い、それを小テストおよび出席の代わりとします。それとは別に、中間・期末レポートを課します。なお、レポート執筆の際にWikipediaを参考資料に用いることを禁止します。代返等・コピペ等の不正行為に関しては厳正に対処します。各種文章がしっかり書けていることは、評価の前提条件とします。

 上記の学習目標が達せられているかどうかを、フィードバックを含む出席点(40点)、レポート(60点)、のウエイトで評価して総合的に判定します。具体例として、その合計が90点以上をS評価、80点以上90点未満をS評価、70点以上80点未満をB評価、60点以上70点未満をC評価とします。

 ただし、出席回数が7割未満の場合、この限りではありません。

 なお、2021年度のレポート課題は、オリジナルのRPGシナリオ、ソロアドベンチャー、ゲームポエム等をデザインするという試みでした。内容は随時変更する可能性があり、指示を聞き漏らさないようにすること。

 

課題・試験・レポート等のフィードバック方法

/Method of Feedback (e.g. Assignments, Exams, Reports)         フィードバックは講義内で随時行います。期末レポートの優秀作は、プロのゲームデザイナーに見てもらう場合があるので、あらかじめご了承ください。

 

履修上の注意点

/Notes                  講義の際には、相当分量の論文や小説、各種ルールを読み進めていくことになります。関連して文献も紹介しますが、少々難解かもしれない理論も含まれます。自前でのゲーム会の運営など、授業外でも相当な努力が必要になります。講義へのフィードバックを毎回記述してもらい、それを講師が講義内容へ反映させていきます。その他、双方向的な講義になりますので、積極的な協力・参加が求められます。

 ウイルス禍の状況により、一部または全部の講義を遠隔に移行する可能性があります。

 

シラバス配付方法

/Syllabus Distribution Method        受講生が予め印刷ないしPDFをダウンロードして授業に持参のこと。

 

教科書

/Textbooks         ・傭兵剣士、J・ウィルソン/岡和田晃、書苑新社、1800

参考図書・その他の教材

/Other Course Materials ・ウォーハンマーRPG スターターセット、岡和田晃ほか訳、ホビージャパン、3000

・再着装(リスリーヴ)の記憶――〈エクリプス・フェイズ〉アンソロジー岡和田晃編、アトリエサード、2700

・エクリプス・フェイズ ソースブック サンワード、岡和田晃ほか訳、新紀元社

ブルーフォレスト物語 リバイバル・エディション、伏見健二、グランペール

 

 以下は、過去の受講生の優秀レポートを、(受講生の同意のもと)必要に応じて講師が改稿したものの一例です。

・「FT新聞」No.3175掲載、『ピークス・オブ・ファンタジー』用シナリオ『英雄の祭典』

https://analoggamestudies.seesaa.net/article/483803699.html

・「FT新聞」No.3235掲載、ゲームポエム『檸檬

https://analoggamestudies.seesaa.net/article/481294559.html

 

担当教員への連絡方法

/Method of Communication with Instructor                

研究室 他

/Office                  14号館講師室ですが、必ず事前にアポイントをとってください。

連絡方法

/Contact Information        akiraokawada@gmail.com

オフィスアワー

/Office Hours     原則としてメールで事前にご相談ください。

 

1             1             オリエンテーション~ボード/カードゲームの可能性を知る(1)         面接授業/講義の概要を伝え、受講生の自己紹介の後、古典ボードゲームアクワイア』の作者シド・サクソンが著した『シド・サクソンのゲーム大全』から「ソリティア・ダイス」を実際にプレイし、アナログゲームのシステムデザインに慣れ親しみます。            講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

2             2             ボード/カードゲームの可能性を知る(2)                  面接授業/『シド・サクソンのゲーム大全』から、前回とは異なる作品(参加者の資質に合わせて調整)をプレイし、両者を比較しつつ、その構造と機能を分析します。       講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

3             3             ボード/カードゲームの可能性を知る(3)                  面接授業/『シド・サクソンのゲーム大全』から、(1)~(2)とは異なる作品をプレイし、今度はルールの改良ができるのか、そこを考えてみます。   講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

4             4             ウォーゲームをプレイする(1)     面接授業/歴史的な状況をシミュレートした、アバロンヒル社の以降のデザイン・メカニズムに基づくウォーゲーム(『スターリングラード攻防戦』、『D―DAY』、『ドイッチュラント・ウンターゲルト』など)を実際にプレイし、そのゲーム・メカニズムを把握します。   講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

5             5             ウォーゲームをプレイする(2)     面接授業/前回プレイした1対1タイプとは異なる、マルチゲーム構造の作品を実際にプレイし(『魔法の島の闘い』等)、デザインのあり方がどう変わってくるのかを分析します。                講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

6             6             6:ユーロゲームをプレイする         面接授業/アメリカのゲームデザイン思想とは性格が異なる、ドイツを中心に発展を遂げたボードゲームであるユーロゲームを実際にプレイし(『遺産相続ゲーム』等)、プレイヤー間のインタラクションが、どのように合理化されているのかを考えます。                講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

7             7             ゲームポエムをプレイする                面接授業/講師や学生が作ったゲームポエム(ナラティヴ・スタイルのミニマムなRPG)をプレイし、「ナラティヴ=語り」の自由度を体感してもらいます。                  講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

8             8             ファンタジーRPG入門(1)            面接授業/シンプルなファンタジーRPG『トンネルズ and トロールズ』のキャラクターを実際に創造し、行為判定(セービング・ロール)と戦闘のルールを概説した後、実際に1人用のアドベンチャーをプレイします。       講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

9             9             ファンタジーRPG入門(2)            面接授業/シンプルなファンタジーRPG『トンネルズ and トロールズ』の1人用シナリオを引き続きプレイし、シナリオによる展開の違いを味わいます。そして、多人数でのゲームセッションによる自由度の拡張、小説と連動したストーリーテリングのあり方を考え、実際に執筆をしてみます。                  講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

10           10           ファンタジーRPG入門(3)            面接授業/神聖ローマ帝国時代のドイツをモデルにした背景世界を有するファンタジーRPGウォーハンマーRPG』をプレイし、世界観の奥深さが生成されるストーリーに、どう影響を与えてくるのかを考察します。また、レポートに向けたシナリオの制作を開始します。     講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

11           11           ナラティヴ・スタイルのRPG体験                 面接授業/ナラティヴ・スタイルのヒストリカルRPGである『モンセギュール1244』を実際にプレイします。また、進行中のRPGシナリオの創作につき、講義内で講評・ディベロップメント(改良)を行います。                  講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

12           12           SF-RPG体験       面接授業/ポストヒューマンSF-RPG『エクリプス・フェイズ』をプレイし、1人用アドベンチャーシェアード・ワールド小説を参照しつつ、その批評性がどこに宿るのかを分析します。また、進行中のRPGシナリオの創作につき、講義内で講評・ディベロップメント(改良)を行います。 講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

13           13           マーダー・ミステリー入門(1)     面接授業/「参加する推理小説」であるマーダー・ミステリーを、実際にプレイします(進度によってはとりやめ、講師オリジナルの児童文学RPGのプレイになるかもしれません)。また、進行中のRPGシナリオの創作につき、講義内で講評・ディベロップメント(改良)を行います。

                 講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

14           14           マーダー・ミステリー入門(2)     面接授業/「参加する推理小説」であるマーダー・ミステリーを、実際にプレイします。幻想文学評論の観点から分析も行います(進度によってはとりやめ、講師オリジナルの児童文学RPGのプレイになるかもしれません)。

 また、進行中のRPGシナリオの創作につき、講義内で講評・ディベロップメント(改良)を実施します。

                 講義後のフィードバックと、指定された作品の事前講読を兼ねた小レポートを提出してもらいます。

「図書新聞」2021年4月16日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第八六回 国家論のくびきを超え、ジェノサイドで消された声を聞け」が掲載

 発売中の「図書新聞」2021年4月16日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第八六回 国家論のくびきを超え、ジェノサイドで消された声を聞け」が掲載されています。
 泥沼化したロシア軍によるウクライナ侵攻、許すべからざる強制連行や大虐殺を批判しつつ、以下の作品を取り上げています。新作と、読み直しの価値があるものです。

アンジェイ・ワイダ監督『カティンの森
・塚田幸光編『メディアと帝国――一九世紀末アメリカ文化学』(小鳥遊書房)および小原文衛「帝国崩壊のヴィジョン――〈死霊のえじき〉と〈スペイン的なもの〉」、中山悟視「世紀転換期アメリカにおける支配の欲望――オズ、サンタクロース、ユートピア
アンナ・ポリトコフスカヤチェチェン やめられない戦争』(三浦みどり訳、NHK出版)
小林哲也「「猶予」としての「正義」――ゲルショム・ショーレムヴァルター・ベンヤミンの正義論」(「思想」)
・ルイーズ・グリュック『アヴェルノ』(江田孝臣訳、春風社
レベッカ・L・ウォルコウィッツ『生まれつき翻訳――世界文学時代の現代小説』(佐藤元状・吉田恭子監訳、田尻芳樹・秦邦生訳、松籟社)および監訳者二名と担当編集者(木村浩之)の座談会。
・エミリー・アプター『翻訳地帯――新しい人文学の批評パラダイムにむけて』(秋草俊一郎・今井亮・坪野圭介・山辺弦訳、慶應義塾大学出版会)
・藤井光「翻訳と「裏切り」をめぐって」(「群像」)
星野智幸「石のゆりかご」(「すばる」)
・三輪健太朗「楳図かずお論――変容と一貫性」(「文學界」)
・安野貴博『サーキット・スイッチャー』(ハヤカワSFコンテスト優秀賞)
青木淳悟「ファザーコンプレックス」(「新潮」)
熊谷昭宏・日比嘉隆編『ゴミ探訪』(皓星社)および稲垣足穂「WC」、KMS「屑屋」、関根弘「ゴミ箱の火事」
・八杉将司『Delivery』(早川書房)および「宇宙の選択」、「やり直す」(「SF Prologue Wave」)
・ネルシア『フェリシア、私の愚行録』およびフジュレ・ド・モンブロン『修繕屋マルゴ 他二篇』(ともに福井寧訳、幻戯書房


 また、ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』、チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』、ガルシア=マルケス百年の孤独』、オクタヴィア・バトラー「恩赦」、ヴォルテールカンディード』、ディドロ『ラモーの甥』にも触れています。
 一箇所訂正。冒頭、「南西部の都市マリウポリ」は、「南東部の都市マリウポリ」の間違いです。
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「詩界」No.269(日本詩人クラブ)に「形而上詩の課題――武子和幸『モイライの眼差し』論」を寄稿

 「詩界」No.269(日本詩人クラブ)に、8ページの長い批評「形而上詩の課題――武子和幸『モイライの眼差し』論」を寄稿しています。I・A・リチャーズの理論を本格適用。またダンやイェイツについての批評、吉本隆明、エミリー・アプターらも参照しつつ、危難の時代における詩のあり方を考察しています。

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「図書新聞」2022年4月9日号にマーガレット・ワイス『レイストリン戦記1・2』の書評が掲載

 発売中の「図書新聞」2022年4月9日号にマーガレット・ワイス『レイストリン戦記1・2』(安田均・石口聖子訳、KADOKAWA)の書評「魔術師レイストリンの屈託を描きぬき、ファンタジー史を更新した必読の書 RPGシェアード・ワールドの金字塔〈ドラゴンランス 〉サーガの出発点、待望の日本語版」が掲載されました。

 面白い小説だったので、また編集者の理解もあり、掲載に至った次第です。

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