「図書新聞」2021年4月16日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第八六回 国家論のくびきを超え、ジェノサイドで消された声を聞け」が掲載

 発売中の「図書新聞」2021年4月16日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第八六回 国家論のくびきを超え、ジェノサイドで消された声を聞け」が掲載されています。
 泥沼化したロシア軍によるウクライナ侵攻、許すべからざる強制連行や大虐殺を批判しつつ、以下の作品を取り上げています。新作と、読み直しの価値があるものです。

アンジェイ・ワイダ監督『カティンの森
・塚田幸光編『メディアと帝国――一九世紀末アメリカ文化学』(小鳥遊書房)および小原文衛「帝国崩壊のヴィジョン――〈死霊のえじき〉と〈スペイン的なもの〉」、中山悟視「世紀転換期アメリカにおける支配の欲望――オズ、サンタクロース、ユートピア
アンナ・ポリトコフスカヤチェチェン やめられない戦争』(三浦みどり訳、NHK出版)
小林哲也「「猶予」としての「正義」――ゲルショム・ショーレムヴァルター・ベンヤミンの正義論」(「思想」)
・ルイーズ・グリュック『アヴェルノ』(江田孝臣訳、春風社
レベッカ・L・ウォルコウィッツ『生まれつき翻訳――世界文学時代の現代小説』(佐藤元状・吉田恭子監訳、田尻芳樹・秦邦生訳、松籟社)および監訳者二名と担当編集者(木村浩之)の座談会。
・エミリー・アプター『翻訳地帯――新しい人文学の批評パラダイムにむけて』(秋草俊一郎・今井亮・坪野圭介・山辺弦訳、慶應義塾大学出版会)
・藤井光「翻訳と「裏切り」をめぐって」(「群像」)
星野智幸「石のゆりかご」(「すばる」)
・三輪健太朗「楳図かずお論――変容と一貫性」(「文學界」)
・安野貴博『サーキット・スイッチャー』(ハヤカワSFコンテスト優秀賞)
青木淳悟「ファザーコンプレックス」(「新潮」)
熊谷昭宏・日比嘉隆編『ゴミ探訪』(皓星社)および稲垣足穂「WC」、KMS「屑屋」、関根弘「ゴミ箱の火事」
・八杉将司『Delivery』(早川書房)および「宇宙の選択」、「やり直す」(「SF Prologue Wave」)
・ネルシア『フェリシア、私の愚行録』およびフジュレ・ド・モンブロン『修繕屋マルゴ 他二篇』(ともに福井寧訳、幻戯書房


 また、ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』、チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』、ガルシア=マルケス百年の孤独』、オクタヴィア・バトラー「恩赦」、ヴォルテールカンディード』、ディドロ『ラモーの甥』にも触れています。
 一箇所訂正。冒頭、「南西部の都市マリウポリ」は、「南東部の都市マリウポリ」の間違いです。
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