2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

夢幻会社

J.G.バラードの『夢幻会社』を原作とした短編映画を知人に教えてもらった。 私がバラードを知ったとき(まだ若い頃だ)、旧作は初期の代表作『結晶世界』を除いては軒並み絶版だったし、新作はハードカバーであるため買えなかった。 同じような境遇にあるた…

『GAME JAPAN』4月号に『ウォーハンマーRPG』リプレイ「魔力の風を追う者たち」第2回が出てます

そろそろ、総合ゲーム雑誌、月刊『GAME JAPAN』4月号(ホビージャパン)が発売になる頃ですね。 私は『ウォーハンマーRPG』連載リプレイ「魔力の風を追う者たち」の第2回、「アルトドルフが燃えている!」を書かせていただいております。 ・『GAME JAPAN』公…

『ダンジョンズ&ドラゴンズ』初心者卓の顛末

2月24日のホビージャパンRPGコンベンションでの初心者卓にて、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(初心者卓)のダンジョンマスターをしてきました。 最近、僕はホビージャパン関係のコンベンションでは、『ウォーハンマーRPG』のゲームマスターを勤めることが多…

魔法工学

※画像は、「Lead&Read」掲載の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』リプレイ、「Secret Struggles in Sharn」における最後の注釈にて"大陸横断鉄道"ライトニング・レイルのイメージとして紹介させていただいた、クロード・モネの連作「サン・ラザール駅」のうちの1…

ジョン・バンヴィル『プラハ 都市の肖像』

ジョン・バンヴィルの『プラハ 都市の肖像』を読む。バンヴィルは、もっとも好きな作家の一人だ。なかでも、『コペルニクス博士』と『バーチウッド』は驚異的。だが、この作品に関しては、帯の惹句があまり好きではなく、そのため敬遠していた。しかし、魂が…

2月24日のコンベンションの担当卓変更について

2月24日に代々木で開催されます、ホビージャパン・コンベンションが近づいてきましたね。 以前、下記にも書いたとおり、私は『ウォーハンマーRPG』のゲームマスターとして参戦予定でしたが……。http://d.hatena.ne.jp/Thorn/20080208/p1 『ダンジョンズ&ドラ…

アラン・ロブ=グリエについて

既に各紙で報道されたようなので、 ご存知の方もおられるでしょうが、アラン・ロブ=グリエが亡くなったようです。先日もロブ=グリエの『快楽の館』を読み直していた最中だったので、正直のところ、茫然自失となりました。 カート・ヴォネガットが死んだと…

『ウォーハンマーRPG』リプレイの修正箇所その2

私もようやく、『魔術の書:レルム・オヴ・ソーサリー』の日本語版を、都内某店にて購入してきました。 内容を読んでみたのですが、ゲラのときから訳語に変更がかかったものがあるようで、『GAME JAPAN』3月号に記載された(私の手になる)『ウォーハンマーR…

『ウォーハンマーRPG』リプレイの誤植について

さて、『ウォーハンマーRPG』のサプリメント『魔術の書:レルム・オヴ・ソーサリー』日本語版の発売日が2月15日に迫ったわけですが…。 発売に先んじて『魔術の書:レルム・オヴ・ソーサリー』を導入していた(私の手になる)『GAME JAPAN』3月号掲載の『ウォ…

川村二郎逝去

享年80歳。私にとっては、ヘルマン・ブロッホの『ウェルギリウスの死』の翻訳者としての仕事がいちばん大きいですね。 『ウェルギリウスの死』はものすごい小説だ。 しばしば映像関連でのみ取りざたされるドイツ表現主義が、ドイツ・ロマン派の正嫡の子であ…

ガッサーン・カナファーニー

他所を知る、というその一点において、SFを読むのも他の国の小説を読むのも、僕にとっては同じことなのだけれども、たまたま図書館のリサイクルコーナーで手に入れた、河出書房新社が80年代前半に出していた『現代アラブ小説全集』(編集委員にはなんと、野…

トロール殺しと、The Thousand Thrones Campaign

『ウォーハンマーRPG』の最新シナリオ集"The Thousand Thrones Campaign"(英語版)が予約開始になっている模様ですね。タイトルと表紙見るだけでも、すごく興奮。楽しみで仕方がない。 『ウォーハンマーRPG』小説で有名な、William Kingの"Slayer"シリーズ…

シルバーネイルと嵐の戦士

さて、ジャック・ヨーヴィルことキム・ニューマン氏の邦訳新刊、『シルバーネイル』(HJ文庫G)を読んだわけですが、面白すぎるよこれ! 細部の描写がいちいちツボ。僕は3年前くらいにバルザックを4冊くらい熱心に読んで、小説のキモは細部にあるということ…

『新しい太陽の書』新装復刊!

柳下センセのブログより。[http://garth.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_1336.html]やったぜ! ついに来た! (仕方なく)英語で読んだらすごく面白かった、第5巻も出る! 同じく柳下センセのところで告知されている、バラード『クラッシュ』の文庫…

もうひとつの『破滅の天使』

ゲーム文化の弱点としてよく指摘される事柄に、「ゲームというものは気に入らない展開になるとリセットができてしまうから、堪え性が育たないので教育効果が薄いし、何より(一回きりの)実人生に比べて圧倒的に(物語として)貧しい」という類のものがあり…

『Role&Roll』vol.41

そろそろ、アナログゲーム総合情報誌『Role&Roll』のvol.41(アークライト/新紀元社)が発売になっている模様ですね。 [http://www.arclight.co.jp/r_r/] 私は僭越ながら、クリスマス近辺に開催された「Role&Roll 公認GMコンベンション」の取材記事を書…

ポール・ド・マン『理論への抵抗』

誰にも信じてもらえないが、私は実はポストモダニストだ。 デリダ大好き。アメリカンなデリダ派といえばこの人、ということで、ポール・ド・マンの『理論への抵抗』を読む。 〈デリダ(受容)以降〉のアメリカ・ポストモダン論壇においては、価値相対主義や…

混沌の嵐のなかで

『深淵 第二版』と『シルバーネイル』を手に入れたぞ! 混沌に魂を食らわれる前に読むぞ! 深淵 第二版 (ログインテーブルトークRPGシリーズ)作者: スザク・ゲームズ,朱鷺田祐介出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2008/02/02メディア: 大型本購入: 3…

アルゴナウティカ

アポロニオスの『アルゴナウティカ』を読み、叙事詩のみが持ちうる迫力に驚嘆する。 ホメロスの『イリアス』は、トロイア戦争のある部分を特別にクローズアップするという、どちらかといえば近代文学的な手法で描かれたものであるが、対する『アルゴナウティ…

『D&D』の広大な世界

さて、『Role&Roll』別冊『Role&Roll Extra Lead&Read vol.1』に45ページオーバーという破格の分量にて掲載された、私の手になる『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のエベロンを舞台にしたリプレイ 「Secret Struggles in Sharn」 ですが、なんとも畏れ多いことに…